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抱主
「抱主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抱主の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
お染はまだ間もなかった頃で、どこにも馴染は無いらしく、連立って行く先を、内証で、
抱主の蔦家の女房とひそひそと囁いて、その指図に任かせた始末。 披露の日は、目も....
「世相」より 著者:織田作之助
ンス芸者をしていた頃は、北野の博奕打の親分を旦那に持ったことがあり、またその時分
抱主や遣手《やりて》への義理で、日活の俳優を内緒の客にしたこともあると、意外な話....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
行かず、祝儀《しゅうぎ》、衣裳《いしょう》、心付けなど大変な物入りで、のみこんで
抱主《かかえぬし》が出してくれるのはいいが、それは前借になるから、いわば蝶子を縛....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
農村の若い女達にとっても、又この好機を逸せず安く玉を手に入れようとする周旋業者や
抱主達にとっても、事実上この身売防止は様々の妨害になっている。この人身売買の自由....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
の生活のためだ。それから本当に子供を虐待するのは、所謂「親方」や雛妓《すうぎ》の
抱主だろうが子供を親方や
抱主に渡す親達は云うまでもなく生活の必要に迫られるからだ....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
敷に包んだものを持っている。わたくしは其様子と其顔立とで、直様《すぐさま》お雪の
抱主《かかえぬし》だろうと推察したので、向から言うのを待たず、 「お雪さんは何だ....
「放浪作家の冒険」より 著者:西尾正
、なにやら指図をしていたという点からも、こうかんがえられないことはない。たぶん、
抱主か土地ゴロに相違あるまい。ああ、とんでもない女にかかわってしまったもんだと、....
「芽生」より 著者:宮本百合子
、いつかえるったってあいまいの事ばっかり云ってらちがあかないんです。だからキット
抱主が苦情があると思うからそれっきり行かないんですけど……あんな情ない腹の立った....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
んだが、引っかかったら最後、決して啼かないから妙だ。 「ミイやミイや」 なんて
抱主が探しに来てもジイッと塵箱の蔭なんかに隠れてしまうからナカナカ見付からない。....