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抵抗
「抵抗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抵抗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
が、生暖かく彼の手にかかったのを感じた。太刀の先が肋《あばら》の骨に触れて、強い
抵抗を受けたのを感じた。そうしてまた、断末魔の相手が、ふみつけた彼の藁沓《わろう....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
っかりした、むしろいかついという体格で、皮のたるんだ手や足にも、どこかまだ老年に
抵抗する底力が残っている。これは顔でも同じことで、下顎骨《かがくこつ》の張った頬....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
検した。
すると、まだその点検がすまない中に、老紳士はつと立上って、車の動揺に
抵抗しながら、大股《おおまた》に本間さんの前へ歩みよった。そうしてそのテエブルの....
「或る女」より 著者:有島武郎
子段《はしごだん》をややよろよろしながらのぼって、重い戸をあけようとすると外気の
抵抗がなかなか激しくって押しもどされようとした。きりっと搾《しぼ》り上げたような....
「或る女」より 著者:有島武郎
るように車の内外《うちそと》から声がかわされた。幌《ほろ》にのしかかって来る風に
抵抗しながら車は闇《やみ》の中を動き出した。
向かい風がうなりを立てて吹きつけ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
らなかった。秋に収穫すべき作物は裏葉が片端《かたっぱし》から黄色に変った。自然に
抵抗し切れない失望の声が、黙りこくった農夫の姿から叫ばれた。
一刻の暇もない農....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
している子供が、皆んなから手柄顔に名指されるだろう。配達夫は怒りにまかせて、何の
抵抗力もないあの子の襟《えり》がみでも取ってこづきまわすだろう。あの子供は突然死....
「星座」より 著者:有島武郎
奇体だなあ」
彼は思わず鉛筆を心もち紙の表面からもち上げて、自分に対して必死の
抵抗を試みようとする項式をまじまじと眺めた。
「そこがどうなんです」
新井田氏....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
にかかったように私はそこに導かれる。笞にはげまされて振い立つ私を見るのも、打撲に
抵抗し切れなくなって倒れ伏す私を見るのも、共に私が生きて行く上に、無くてはならぬ....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
に押し進もうとした。 クララは半分気を失いながらもこの恐ろしい魔術のような力に
抵抗しようとした。破滅が眼の前に迫った。深淵が脚の下に開けた。そう思って彼女は何....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
者の考え方も跡を絶つようになった。しかし初めのうちはやはり昔からの先入的な意見の
抵抗があり、またいろいろな研究者間に協力ということが欠けていたためにあまりはかば....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
子に見交わした。彼に見られる度に、私は反抗心が刺戟される様な、それで居て如何にも
抵抗の出来ない様な、一種の圧迫を感じて、厭な気になるが、其の眼には確かに強く人を....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ことは驚歎すべきである。今や世界全土に亙りて普及しつつある神霊運動の前には何物も
抵抗すべくもない。世界で一番後一番後※しになった日本国でも、最早その傾向が顕著に....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
を薔薇色の光りに仄めかそうとする浪曼主義。その誘惑を意識しつつ、しかもその誘惑に
抵抗しない、たとえば中途まで送って来た妓と、「何事かひそひそ囁き交したる後」莫迦....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
すぎ、窓や台所から乱入した二十五、六名の兵隊によってゆり起された。そして銃剣で、
抵抗すれば撃つとおどかされながら、同宿の者数名とともに戸山ヶ原騎兵連隊の営倉にぶ....