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抹消
「抹消〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抹消の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
聞くべく、その頭脳は明に、その眼は輝いたのである。 早瀬は潔く云々以下、二十一行
抹消。――前篇後篇を通じその意味にて御覧を願う。はじめ新聞に連載の時、この二十一....
「人間灰」より 著者:海野十三
しまえば、いずれこれは魚腹の中に葬られることでしょう。そうすれば彼の屍体は完全に
抹消されたことになります。なんと素晴らしい屍体処分法ではありませんか) (なるほ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
、私から外へ出す書信を御不許可に遊ばす際にはこの所此の所が悪いから不許、この所を
抹消したなら発信を許可してやると云う事に、一寸お印をおつけ頂き、そこを
抹消したな....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
質をば哲学に就いて軽んじるものであって、つまり哲学とただの世界観的常識との区別を
抹消して了うものだから、今は一顧の価値も有たない。問題になるのは、哲学と宗教とが....
「断層顔」より 著者:海野十三
結果、隊員ヲ今一名増員可能ト認ムル者五名、不可能ト認ムル者四名トナリタリ。(数字
抹消)事ハ決マリタリ。抽籤ノ結果、碇曳治ヲ隊員第四十号トシテ登録スルコトヲ、本会....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
ければいかん」 と、梅野十伍は苦笑しながら、十行ばかりのところを、墨くろぐろと
抹消した。 時計は午前四時半となった。 梅野十伍は、原稿が一向はかどらないの....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
の「統制」によって生じる文化的対立を、対外的乃至国際的な観点に立つことによって、
抹消し単一化そうとする処の、間接な併し遠大な日本の対国際的文化統制計画に他ならな....
「白い朝」より 著者:豊島与志雄
。 「これ、常見の方の証書です。受取書もついてるから。大事にしまっといて下さい。
抹消登記の方は、僕がしてあげます。これだけの金を拵えるには、ずいぶん苦労しました....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
番芝居をやろうじゃないか。あの利得金で堪能するためには、まず船場四郎太を戸籍から
抹消する必要がある。そこで、告白の遺書を書かせて、黒鉛の弾を示し、射ったらまず川....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
暮らした。私は、すべてはまだ終ったのではなくて、あいつの、過去の憶い出をほとんど
抹消する目をみはるような罪を、まだまだ犯すにちがいない、ということを、ぼんやり感....
「虹の橋」より 著者:久生十蘭
い身のつまりになるのだと思いこんでいた。新憲法のおかげで、あらゆる前科が戸籍から
抹消されたということを、あさひは知らなかったのである。 二十六年の暮、あさひは....
「岩魚」より 著者:佐藤垢石
俄に暗いかげの底に吸い込まれて行ったのである。巨猿の姿も、魚精のかげも幽黝の底に
抹消された。 十 正月がくると、石坂家へ目出度い縁談があちこちから持ち込ま....
「私はかうして死んだ!」より 著者:平林初之輔
一 私がこれから話すことは、全部正真正銘の事実である。ただ色々な都合で固有名詞だけは、
抹消したり、変改したりしたが、事実そのものには一点一画も私は修正を加えなかった。....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
っては、おそらく平安朝以来の傍訓(少くも釈日本紀以来の傍訓)たるべきハセツカベを
抹消して、無条件にハシヒトと改めているのである。さらに栗田寛先生はその新撰姓氏録....
「獄中通信」より 著者:戸坂潤
だが、ここではまだ底寒い。二月の末から三月の中旬頃まで、寒波との闘争につかれて(
抹消)衰弱し、胃を害していたが、この頃は眼に見えて恢復して来た。(
抹消)――嵐子....