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押さえ
「押さえ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
押さえの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「親子」より 著者:有島武郎
して、一人で考えこんでしまった。なんということもなく、父に対する反抗の気持ちが、
押さえても
押さえても湧き上がってきて、どうすることもできなかった。 ほど経てか....
「星座」より 著者:有島武郎
打った。狭い機械室の中は響だけになった。園の身体は強い細かい空気の震動で四方から
押さえつけられた。また打つ……また打つ……ちょうど十一。十一を打ちきるとあとには....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
拍子に牛乳箱の前扉のかけがねが折り悪しくもはずれたので、子供は背中から扉の重みで
押さえつけられそうになった。驚いて振り返って、開きかかったその扉を押し戻そうと、....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
たのだ。また、うわばみの赤い舌がぺろぺろ僕の目の前に見えるようだ。僕はこれを胸に
押さえて平気を装い、 「それがつらいのか?」 「どうしても、疑わしいッて聴かない....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
播隆上人の碑、それを見越して上は、先きに吾々の踏まえていた大槍、今は頭上をうんと
押さえつけて来る、恐ろしいほど荘厳だ。小屋の内に這入って見ると、薄暗い、片すみに....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
そこであるから「最終機」などと安心していられないように思ったが、電探ではたしかに
押さえているんだから正確、まもなく空襲警報解除となり続いて警戒警報も解除となり、....
「怪塔王」より 著者:海野十三
りこんでいるロケットだ――どうだね、小浜君、あのロケットが着陸するのを待ってとり
押さえては――」 光るロケット 1 隊長機のロケットを、とり押....
「火星兵団」より 著者:海野十三
た。そうして急に弱くなって、ごろんとその場に倒れた。
新田先生は、火星人を下に
押さえつけたまま、ふうふうと苦しい息をはいた。何かどなりつけてやりたかったが、あ....
「キド効果」より 著者:海野十三
赤な顔をした車掌がピストル片手に飛びこんで来た。 「だッだッ誰です。扉を内側から
押さえていたのは……。けッけッ怪しからん」 六尺豊かな、まるで角力取のような専....
「空気男」より 著者:海野十三
は、実は消身薬の包みであった。 「あなた、待って――」妻君は愕いて清家博士の手を
押さえた。 「あなたが死ぬなら、妾も一緒に死にますわ」 妻君は博士が自殺するも....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
デーに充ちた葬送行進曲が、ピアノの鍵盤の上から、静かに響いて来た。 涙をソッと
押さえてJOAKのスタディオに弾ずるのは、奇しい運命の下に活躍した紅子だった。僅....
「人造物語」より 著者:海野十三
盤が帰ったため、反って博士の手によって行動することとなり、助手のピーターを逆に取
押さえるところで物語は了っている。その電波嬢は、あとで解体せられ、スプリングや電....
「赤外線男」より 著者:海野十三
の狐の襟巻をして、真赤なハンドバッグをクリーム色の手袋の嵌った優雅な両手でジッと
押さえていた。コートの下には小紋らしい紫がかった訪問着がしなやかに婦人の脚を包み....
「沈没男」より 著者:海野十三
ので、起きようかと思うが、すぐサラ・ベルナールのような顔した看護婦が来て、上から
押さえるので、やりきれない。もっとも余は、すっかり風邪をひいて、かくの如く純毛純....
「蠅男」より 著者:海野十三
ある。もしあれを見ているのが自分でなくて正木署長だったら、池谷医師はその場に取り
押さえられたことだろう。 帆村荘六は、もう骨休みも商売根性を批判することもなか....