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押付ける
「押付ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
押付けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
と何《なん》と心得違いしたか富五郎、無闇にお隅の手を取って髯《ひげ》だらけの顔を
押付ける処へ、母が帰って来て、此の体《てい》を見て驚きましたから、傍《そば》にあ....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
の中を覗きこんだ。 そこには、トタンを張った板枠の上に置かれたストーブへ、頭を
押付けるようにして、三四郎の妻の比露子が倒れていた。髪の毛が焦げていてたまらない....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
早争う余地のない微々たる問題となった。庄司氏の雄弁ならざるも、確乎たる信念の下に
押付けるような力強い言葉は、犇々と支倉の胸に応えた。殊に彼の自白の場面を詳細に述....
「観画談」より 著者:幸田露伴
られては堪らぬと思うので、ずんずんと来意を要領よく話して、白紙に包んだ多少銭かを
押付けるように渡してしまった。若僧はそれでも坊主らしく、 しばらく、 と、しか....
「風に乗って来るコロポックル」より 著者:宮本百合子
付けた黒が、唸る。 すると、豊坊がワイワイ云いながら、火の付いた枝を黒の鼻先へ
押付ける。と、 キャン! と叫んで横飛びに逃げた様子がおかしいと云って、豊坊が....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
って頭を左右に振るばかりであったが、そこを附け込んだ首領の某がなおも、無理に杯を
押付ける。双方の壮士が互い違いに坐っているので互いに肩臂を張って睨み合ったまま、....
「富岡先生」より 著者:国木田独歩
に先生は平常から高山々々と讃めちぎっていたから多分井下伯に言ってお梅|嬢を高山に
押付ける積りだろう、可いサ高山もお梅|嬢なら兼て狙っていたのだから」 「そうかし....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
らしなく開けて、此方を仰くようにして笑っているのが分る、私は外套の胸を、女の胸に
押付けるようにして、 「何うしていたかッて? ……電話で話した通りじゃないかッ…....
「傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
との感謝で払われてる筈だ。……この人は俺に、学費を与えることによって、奴隷根性を
押付けるつもりではなかった筈だ……。 生活の距りが大きくて、話の接穂がないだけ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
う一切の試みに対する反対論として用いてはならない。私は一般原理を行き過ぎの点まで
押付けるつもりはない。もっともそれは常に心にとめておくべきだとは思うが。特別な場....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
う寧そのこと……。」 遣瀬ないように身を悶えて、お熊は鳴咽の顔をお菊の膝の上に
押付けると、夜寒に近い此頃の夜にも奉公人の寝衣はまだ薄いので、若い女房の熱い涙は....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
旋《ぜんまい》のように巻いて着けてあるばかりです。立ててあると螺旋ですが手で下へ
押付けるとちょうど渦巻のような形《かた》ちになり手を離すとピンと伸び上って元の通....