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「押合う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

押合うの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ならべて見物席にあててあるが、飲みながら観る者、食いながら観るもの、隅から隅まで押合うような混雑で、芸妓らもまじって騒いでいる。東宝映画の一行もここに陣取って、....
名娼満月」より 著者:夢野久作
の某と綺羅を尽くした伊達姿が、眼の前を次から次に横切っても、人々は唯、無言のまま押合うばかり。眼の前の美くしさを見向きもせず。ひたすらに背後を背後をと首を伸ばし....
恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
ろに参詣した。今度の開帳は下の宮である。各地の講中や土地の参詣人で狭い島のなかは押合うほどに混雑していた。四郎兵衛の一行三人はいずれも顔を傷つけているので、その....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
音が幽かに、遠く淙々と耳に入る。 薪は太きものが夥しく加えられた、狭きところを押合うように銘々横になる。宗平と宗忠は、私に遠慮して、入口近く一団となって寝てい....
すみだ川」より 著者:永井荷風
《ひとなか》から例の「変るよーウ」と叫ぶ声。人崩《ひとなだ》れが狭い出口の方へと押合う間《うち》に幕がすっかり引かれて、シャギリの太鼓が何処《どこ》か分らぬ舞台....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
て並べてあったのが、これ又わたくしの眼を驚した。わたくしは直《ただち》に、街上に押合う群集の様子に眼を移したが、それは毎年《まいとし》の歳暮に見るものと何の変り....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
私などは「風吹かぬ」と解し、先生は「風吹きぬ」だと見ておられた。また『猿蓑』の、押合うて寝ては又立つ仮枕 たゝらの雲のまだ赤き空 是は普通は旅の鋳物師の、朝....