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「押掛け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

押掛けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
。警官達が崩れ込んだ前後にも、そこから逃げ出す隙はなかった。そこで彼等は、台所へ押掛けた。そこはこの家の裏口になっていて、幅三尺位の露次が、隣に並んだ三軒の家の....
大脳手術」より 著者:海野十三
たく思う。 うるさき鳴海三郎は、いくら追払っても懲りる風を見せず、毎日のように押掛けてきては碌なことをいわない。全く困った友だ。 彼は、必ず決って私が両脚を....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
るまでは、まず何にも言わないつもりらしい。 こんなわけで、早いところ餌をもって押掛けたチーア卿の早業は、街頭を血眼になって金博士の姿を探し求めているルーズベル....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
きすぎたから、それで滑ったと思っているんだ。だから夫人は掃除夫のカールのところへ押掛けて首を絞めるのだといってきかないのだ」 「それはカールの罪じゃあるまい」 ....
火星兵団」より 著者:海野十三
。 各国市場の株は、がたがたと落ちた。 銀行や郵便局には、貯金を引出す人々が押掛けて来て、道路は完全にその人たちによってうずまった。自動車も電車も、みな立往....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、それから発狂した。 但し進藤とは違う。陰気でない。縁日とさえあればどこへでも押掛けて、鏝塗の変な手つきで、来た来たと踊りながら、 「蝋燭をくんねえか。」 ....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
合、うっかり口へ出そうなのを、ふと控えたのは、この婦が、見た処の容子だと、銀座へ押掛けようと言いかねまい。…… そこの腰掛では、現に、ならんで隣合った。画会で....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
へ顔が立たぬ、今日来い、明日来い、それこそ日ぶみ、矢ぶみで。――もうこの頃では、押掛ける、引摺りに行く、連れて帰る、と決闘状。それが可恐さに、「女が来たら、俥が....
端午節」より 著者:井上紅梅
って見ていた。 「じゃ、あしたは出入の商人の方はどうしましょう」 方太太は突然押掛けて来て床の前に突立った。 「商人?……八日の午後来いと言え」 「わたしには....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
の鱗の一件がいつとはなしに世間にもれて、それを一度みせてくれと望んでくる者が続々押掛けるので、伊四郎はもう隠すわけにはいかなくなった。初めは努めてことわるように....
経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
のか、そんなことはいっさい判らないのですが、その小僧の祖母さんという人が井戸屋へ押掛けて来て、自分の大事の孫を返してくれという。井戸屋では知らないという。又その....
蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
ても、どうして善兵衛の仕業ということが判ったかといいますと、かのよい辰が会津屋へ押掛けて行ったことが岡っ引の耳にはいりまして、よい辰を詮議の結果、叔父が善兵衛の....
慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
たので、彼はまた怒った。八月七日の午後に、磯貝はかの雛鳥の籠をさげて六兵衛の店へ押掛けて行って、再びその横着を責めた。かれは詐欺取財として六兵衛を告訴するといき....
勘平の死」より 著者:岡本綺堂
すもんですから、かねて御懇意にいたして居ります文字房さんにお願い申して、こちらへ押掛けに伺いましたような訳で……。お聞き及びかも知れませんが、この十日の初午の晩....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
衣服には少しも頓着しない方で、親譲りの古ぼけた銘仙にメレンスの兵児帯で何処へでも押掛けたのが、俄に美服を新調して着飾り出した。「これが資本だ、コンナ服装をしない....