» 押詰

「押詰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

押詰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
簡潔の美」より 著者:上村松園
、如何に小さなものでも、至極簡単であって要領を得ています。 これは物の簡単さを押詰めて押詰めて行ける所まで押詰めて簡単にしたものですが、それでいて立派に物その....
久保田米斎君の思い出」より 著者:岡本綺堂
今度の病気は去年の十一月、箱根へ大名行列の世話においでなすってからのように思う。押詰って見えた時、海軍病院で診察してもらったが、もう十年ばかりは生きていないと仕....
十番雑記」より 著者:岡本綺堂
がおびただしく流れ込んで来て、平常よりも更に幾層の繁昌をましている。殊に歳の暮に押詰まって、ここらの繁昌と混雑は一通りでない。あまり広くもない往来の両側に、居附....
指輪一つ」より 著者:岡本綺堂
い。あなた一人じゃあとてもむずかしい。」 西田さんは、僕を介抱して、ぎっしりに押詰まっている乗客をかき分けて、どうやらこうやら車外へ連れ出してくれました。気の....
倫敦の一夜」より 著者:岡本綺堂
ぐったいので、誰も彼れもきゃっきゃっと云って逃げまわる。逃げると云っても、犇々と押詰められている混雑のなかであるから自由に身をかわす余地はない。撫でられて擽ぐら....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
って、泡鳴をバルザックに比較して考えて見るようになった。両者の間に相似点がある。押詰めて検討して行けばおもしろかろうなどと思っている。 泡鳴の晩年にはそういう....
染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
えしない。 六 「大金を持っているだろうに、こんな夜道を女一人で、この押詰った師走空を、恐れ気もなく歩くとは、とても度胸は太いものだ。いよいよ並の阿魔....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
|方へ、ちょっと注意をしてやった。しかし、私は人間の心というものは、かかる大変に押詰った場合において、なお幾分の空地があるという事が、かえって甚だ悲しく思われた....
計略二重戦」より 著者:甲賀三郎
、きっと皆さんにお分りになって貰えると思います。 重大な命令 昭和×年も押詰った十二月の或日、仁科少佐は参諜本部の秘密会議室に呼ばれました。秘密室には参....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
けられる訳はない。 忽ち不許可となった。 支倉は少しも屈しない。大正十二年も押詰った十二月十七日又々保釈願を出した。之は大分書き振りが不穏になっている。 「....
連環記」より 著者:幸田露伴
して行くのは、さらぬだに心やさしい保胤には向仏の念を添えもしたろう。世の中は漸く押詰って、人民安からず、去年は諸国に盗賊が起り、今年は洛中にて猥りに兵器を携うる....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
めらるることなくなり、自得するやうなる処も有之やう存候。 この次のは三十四年も押詰った頃のもので、翌年の三月には上京されましたから、小倉からの長い手紙は、これ....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
とに御無沙汰を致しましてごぜえます、私もたいした事でもごぜえませんが、去年の暮の押詰りに寒さを引込みまして、少し疝気が発って腰が痙りますので、商売にも出られませ....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
」 志「あい……もっと火を入れて上げようかえ」 宗「ナニ火はもういゝが、追々押詰るから、小日向《こびなた》の方へ催促に行こうと思うのだが、又出て行《ゆ》くの....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
気の毒だと思い、猶予をして盆の払いが此の暮まで延々になって来たのだが、来月はもう押詰り月ではありませんか、私も商売だから貸すもいゝが、これじゃア困るじゃアないか....