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抽斗
「抽斗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抽斗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
には手が二つしきりなしに動いている。勿論女の手に違いない。それから絶えず開かれる
抽斗《ひきだし》。
抽斗の中は銭《ぜに》ばかりである。
39....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
ている。机は古いのを買ったものの、上へ張った緑色の羅紗《ラシャ》も、銀色に光った
抽斗《ひきだし》の金具も一見|小綺麗《こぎれい》に出来上っていた。が、実は羅紗も....
「文放古」より 著者:芥川竜之介
》の塔も忘れるであろう。豚《ぶた》のように子供を産《う》みつづけ――わたしは机の
抽斗《ひきだし》の奥へばたりとこの文放古《ふみほご》を抛《ほう》りこんだ。そこに....
「河童」より 著者:芥川竜之介
予の机はいかになれるか?
答 いかなれるかを知るものなし。
問 予は予の机の
抽斗《ひきだし》に予の秘蔵せる一束《ひとたば》の手紙を――しかれどもこは幸いにも....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
ンドンへ行って来なければならない。……時にこれを君に見せたかしら?」
彼は机の
抽斗《ひきだし》から白い天鵞絨《びろうど》の筐《はこ》を出した。筐の中にはいって....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
んが自殺したり、いろいろな事件が起るのですが、――御待ちなさいよ。事によると机の
抽斗《ひきだし》に、まだ何か発表しない原稿があるかも知れません。
編輯者 そうす....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
に、そっと暗い梯子《はしご》を下りると、手さぐりに鏡台の前へ行った。そうしてその
抽斗《ひきだし》から、剃刀《かみそり》の箱を取り出した。
「牧野《まきの》め。牧....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
て云った所が、ただ明日《あした》工場《こうば》へ行くんなら、箪笥《たんす》の上の
抽斗《ひきだし》に単衣物《ひとえもの》があるって云うだけなんだ。」
慎太郎は母....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
女学校の教科書にそんなことも書いてあったように感じ、早速|用箪笥《ようだんす》の
抽斗《ひきだし》から古い家政読本《かせいどくほん》を二冊出した。それ等の本はいつ....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
」と云う手真似をする。子供は素直に出て行ってしまう。それから又紅毛人は机に向い、
抽斗《ひきだし》から何か取り出したと思うと、急に頭のまわりに煙を生じる。
....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
かない十円|紙幣が三枚。勿体ないから、死んだらお葬式に使って欲しくって、お仏壇の
抽斗へ紙に包んでしまってある、それを今日使いたいのよ。お嬢さんに差上げて、そして....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
と滝縞お召の半纏着て、灰に袖のつくほどに、しんみり聞いてやった姉さんが、長火鉢の
抽斗からお宝を出して、キイと、あの繻子が鳴る、帯へ挿んだ懐紙に捻って、私に持たせ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
据えた方に、美しい女と紳士の縁台がある。 まだ顔を見せないで、打向った青行燈の
抽斗を抜くと、そこに小道具の支度があった……白粉刷毛の、夢の覚際の合歓の花、ほん....
「橋」より 著者:池谷信三郎
のように口を噤んでしまうのです。一時間でも二時間でも、まるで彼女は、鍵のかかった
抽斗のように黙りこんでいるのです。 問。そんな時、被告はどんな態度をとるのか? ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
私はそこで自分の書いたものを整理しようと考えたのである。 私は久しい前から机の
抽斗を掃除しようと思っていたのだ。私は三十年来、同じ机の中へ手紙も勘定書もごたご....