抽象[語句情報] »
抽象
「抽象〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抽象の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
るくせに何んだって馬耕をしねえだ。幾日《いくんち》もなく雪になるだに」
帳場は
抽象論から実際論に切込んで行った。
「馬はあるが、プラオがねえだ」
仁右衛門は....
「星座」より 著者:有島武郎
いましょうか」
この女は俺の説でも承《うけたまわ》ろうとするがいいんだ。そんな
抽象論で引きさがるかい。
「あなたは実際、たとえば星野か園かに恋を感じたことはな....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
人類とを自滅に導こうとするものだといわれなければならぬ。この問題を私がこのように
抽象的に申し出ると異存のある人はないようだ。けれども仮りにニイチェ一人を持ち出し....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
うような観念は一般には原始的な概念中にはなかったものらしく、これにはもっと高級な
抽象能力が必要であったものと見える(注)。こういう考えの元祖はインドの哲学者たち....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
を意味する。 熱帯では衣食住に心を労することなく、殊に支配階級は奴隷経済の上に
抽象的な形而上の瞑想にふけり、宗教の発達を来たした。いわゆる三大宗教はみな亜熱帯....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
うのは決して無理ではあるまい。もっとも答にもいろいろある。具体的の場合もあれば、
抽象的の場合もあり、あるいは象徴的の場合もある。ずいぶんわかったようでわからぬ場....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
ので、ビールを飲みながら夜遅くまで芸術論を闘わせました。一口に巴里の新しい画派を
抽象派と云いますが、その中で個人個人によって、随分主張傾向は違っているのです。ま....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
し、善化する。従ってどんな悪霊でも悉く神の子であり、神界の統治下にあるのである。
抽象的の善玉、悪玉の永遠の争闘の如き思想は、一時も早く排斥すべきである。同時に霊....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
で片盤坑に確かに犯人を閉込めてはいながら、いったい誰を捜してよいのか、犯人犯人と
抽象ばかりで、誰を捕えたらそれが犯人になるのか、サッパリ判らなかったんです。しか....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
川団十郎 堀越秀 謹言頓首 「暫」の舞台をわたしは豪壮華麗と前に言った。そんな
抽象的の形容詞を仮りないで、もっと具体的にそれを説明したいのであるが、残念ながら....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ほぼ想像する事が出来る。出発前数日、文壇の知人が催おした送別会の卓上演説は極めて
抽象的であったが抱負の一端が現れておる。その要旨を掻摘むとこうである。 「自分は....
「古事記」より 著者:太安万侶
、その順次に出現することによつて世界ができてゆくことを述べる。特に最初の三神は、
抽象的概念の表現として重視される。日本の神話のうちもつとも思想的な部分である。―....
「彼等流浪す」より 著者:小川未明
れど、それのみの世界というものは、現実に於てあり得ない。大衆といい、民衆といい、
抽象的に、いかように人間を考えらるゝことはあっても、実際に於ける、大衆の生活、民....
「文化線の低下」より 著者:小川未明
んか。階級というものは、単に、言葉だけでは、真理とか、正義とか、言う場合のごとく
抽象的なものです。真に、最も親しき者に対してすら、純一ならざるものが、他の何人に....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、ある哲学や、ある思想および道徳などは、理想と現実とを一緒に致しません。理想とは
抽象的のもの、現実を超越したものだとして、理想を必ず現実から引き離して、高く上に....