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拇印
「拇印〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拇印の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「続獄中記」より 著者:大杉栄
て来る声だった。ちょっと何か言うのでも、けだものの吠えるように聞えた。 「これに
拇印をおして出せ。」 不意にこう怒鳴られるように呼ばれて、差入弁当とその差入願....
「雲母片」より 著者:宮本百合子
どろどろにはならないよ。半紙は?」 「ここ」 私は、七歳で、真白い紙の端に墨の
拇印をつけながら、抓んで半紙を御飯台の上に展げた。母は、傍から椎の実筆を執り池に....
「幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
白き大佐は、遂に婚約しました。それがふるってるんです。契約書をとりかわしました。
拇印を押しました。だけど、私は実際のところ、真剣に結婚を考えてはいなかったのです....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
の上に書類をひろげて、 「いま、これを読むから、相違した点がなかったら、署名して
拇印をおしてくれたまえ」 「それは供述書というやつなの」 「そんなむずかしいもん....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
言葉はなかった。責任者として命令受領書に署名を強要され、やむなく浅沼稲次郎と書き
拇印を押したが、怒りにふるえた悪筆の署名文字がいまだに印象に残っている。昔から三....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
ことをいうたことをとりあげて、書いて呉れたものらしいですが、この書には魯迅さんが
拇印を押して呉れてあるのです。 魯迅さんはアメリカのチョコレートが嫌いであって....