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拈
「拈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
易に他人に伝えることはできない。それはただ伝えられる他人しだいによるのである。「
拈華微笑《ねんげみしょう》」の昔はもちろん、百数十行に亙《わた》る新聞記事さえ他....
「恋を恋する人」より 著者:国木田独歩
しい。」 甲乙《ふたり》は無言で煙草を喫っている。甲《ひとり》は書籍《ほん》を
拈繰《ひねく》って故意《わざ》と何か捜している風を見せていたが、 「有ったよ。」....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
ろうなどとは申そうようなき大悪人、兎《と》や角《かく》申さば立処《たちどころ》に
拈《ひね》り潰して仕舞うぞ」 と打《う》って変った文治郎の権幕《けんまく》は、....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
んですか。それじゃ、あんまりですわ……」 歯医者は躊躇《もじもじ》して、帽子を
拈《ひね》っておりましたが、やがて萎《しお》れて坐りました。 「無理に御留め申し....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
君、そうして廷丁が三人も居るんだよ。それで呼鈴《よびりん》と言うので、ちりりんと
拈《ひね》ると、そのまあ、ちり、ちり、ちりん、の工合で誰ということが分ると見えて....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て見た。「異人の首の髪の毛らしいな」 「そうです。そうです、奴らが首を持ち出して
拈くりまわしているうちに、一本か二本ぬけて落ちたのを誰も気がつかずにいて、けさに....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
むかしは菖蒲湯または柚湯の日には、湯屋の番台に三方が据えてあって、客の方では「お
拈り」と唱え、湯銭を半紙にひねって三方の上に置いてゆく。もちろん、規定の湯銭より....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
先刻のコロップを取出し宛も初めて胡桃を得たる小猿が其の剥方を知ずして空く指先にて
拈り廻す如くに其栓を
拈り廻して「何にしても此青い封蝋が大変な手掛りだ何うかして看....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
思う間もなく、また二の矢がブウンと羽響きをなして飛んで来ました。文治はハッと身を
拈り、矢の来た辺へ眼を付けて、 文「やア／＼拙者は決して怪しい者ではないぞ、漂....
「回想録」より 著者:高村光太郎
太子を思いながら拵えたのであろう。技術上微笑したようなお顔になっているけれども、
拈華微笑の教義による微笑の意義を目指して拵えたという説があるようだが、私にはそう....
「白い花」より 著者:種田山頭火
でよいではないか。野の花のよそおいは野の花のよそおいとして鑑賞せよ。 一茎草を
拈《ねん》じて丈六の仏に化することもわるくないが、私は草の葉の一葉で足りる。足り....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
を捻って、引抱えて何処へか行って了ったと云いますよ。」 「ふむ。」と、市郎は首を
拈って、「で、其の※という奴は何んなものだね。」 七兵衛は慌てて遮って、更に前....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
杯の気力を奮い起しました。その声に驚いて、次の間から看護婦が飛んで来てスタンドを
拈っても、ただ、スタンドが天井に大きな影を投げているだけで、家の中は森閑として、....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
が、ここでもミハイル、アウエリヤヌイチは、頬鬚を撫でながら、ややしばらく、品書を
拈転って、料理店を我が家のように挙動う愛食家風の調子で。 『今日はどんな御馳走で....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
た…… 「で、どこへ行こう、こゝへ行こうのあげく向島へ……」 「とは、また、酷く
拈った……」 「というのが、いゝえ、その病気見舞に行ったさきというのが吉野町。…....