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「拍子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

拍子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
使う音や桶を動かす音がする。それから話し声や唄の声がする。最後に時々番台で鳴らす拍子木の音がする。だから柘榴口《ざくろぐち》の内外《うちそと》は、すべてがまるで....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
んで、番茶を飲みながら、他曖《たわい》もない雑談を交して居りますと、どう云う時の拍子だったか、話題がまたあの二年以前の大地震に落ちた事がございます。私はその時も....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
居ります。 それがまた大殿様には、何よりも御耳に痛かったと見えまして、ふとした拍子《ひょうし》に、こう云う若殿様の御言葉が、御聞きに達する事でもございますと、....
」より 著者:芥川竜之介
が、…… 房子は一週間以前の記憶から、吐息《といき》と一しょに解放された。その拍子に膝《ひざ》の三毛猫は、彼女の膝を飛び下りると、毛並みの美しい背を高くして、....
河童」より 著者:芥川竜之介
いう危機一髪の際にも途方《とほう》もないことを考えるものです。僕は「あっ」と思う拍子にあの上高地《かみこうち》の温泉宿のそばに「河童橋《かっぱばし》」という橋が....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
牧野の畜生め。」 お蓮はそう呟《つぶや》きながら、静に箱の中の物を抜いた。その拍子に剃刀の※《におい》が、磨《と》ぎ澄ました鋼《はがね》の※が、かすかに彼女の....
煙管」より 著者:芥川竜之介
》いて、そこそこ、また西王母の襖《ふすま》の向うへ、ひき下った。すると、ひき下る拍子に、後《うしろ》から袖を引いたものがある。ふりかえると、そこには、了哲《りょ....
黄粱夢」より 著者:芥川竜之介
かんさつぎょし》や起居舎人《ききょしゃじん》知制誥《ちせいこう》を経て、とんとん拍子に中書門下《ちゅうしょもんか》平章事《へいしょうじ》になりましたが、讒《ざん....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
っていたから、訳なく卓子《テエブル》と一しょに抛《ほう》り出された。そうしてその拍子に、創口が開《あ》いて、長い辮髪《べんぱつ》をぶらさげた首が、ごろりと床の上....
お時儀」より 著者:芥川竜之介
お嬢さんは何と思ったであろう? なるほどお嬢さんも会釈をした。しかしあれは驚いた拍子《ひょうし》にやはり反射的にしたのかも知れない。今ごろはずいぶん保吉を不良少....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
?――それでおしまい。」 お律はこう云い終ると、頭の位置を変えようとした。その拍子に氷嚢《ひょうのう》が辷り落ちた。洋一は看護婦の手を借りずに、元通りそれを置....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ついたと見え、巻煙草《まきたばこ》を口へ啣《くわ》えたまま、マッチをすろうとする拍子《ひょうし》に突然|俯伏《うつぶ》しになって死んでしまった。いかにもあっけな....
」より 著者:芥川竜之介
えなければ、着ている物などは、猶《なお》の事わかりませぬ。ただ、ふり離そうとする拍子に、手が向うの口髭《くちひげ》にさわりました。いやはや、とんだ時が、満願《ま....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
と射殺すぞ」 遠藤はピストルを挙げました。いや、挙げようとしたのです。が、その拍子に婆さんが、鴉の啼くような声を立てたかと思うと、まるで電気に打たれたように、....
飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
或木曜日の晩、漱石先生の処へ遊びに行っていたら、何かの拍子に赤木桁平が頻に蛇笏を褒めはじめた。当時の僕は十七字などを並べたことのない人....