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拐
「拐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
いたらしい。(註五)「木《こ》の葉《は》」はこの間《あいだ》に伝吉の枡屋の娘を誘
拐《ゆうかい》したり、長窪《ながくぼ》の本陣《ほんじん》何某へ強請《ゆすり》に行....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
鐘楼《しゅろう》も、焼けと云えば焼いて来ます。右大臣家《うだいじんけ》の姫君も、
拐《かどわか》せと云えば
拐して来ます。奉行の首も取れと云えば、――」
わたしは....
「少年」より 著者:芥川竜之介
少女などに画本《えほん》や玩具《がんぐ》を与える傍ら、ひそかに彼等の魂を天国へ誘
拐しようとするのは当然犯罪と呼ばれなければならぬ。保吉の隣りにいる少女も、――し....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
辺幅の修飾とを求めざりき。渠のあまりに平民的なる、その度を放越《ほうえつ》して鉄
拐《てっか》となりぬ。往々見るところの女流の鉄
拐は、すべて汚行と、罪業と、悪徳と....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、 「姑に持とうと云うんじゃなし、ちっとも窮屈な事はありません。」 机の前に鉄
拐胡坐で、悠然と煙草を輪に吹く。 「しかし、君、その自から、何だろう。」 とそ....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
言うと、 (引潮時だねちょうど……)と溜息をしたは、油絵の額縁を拵える職人風の鉄
拐な人で、中での年寄だった。 婦人の一人が、 (姉さん、姉さん、) と、お三....
「春昼」より 著者:泉鏡花
勝手に見て取った。 そこでまた清々しく一吸して、山の端の煙を吐くこと、遠見の鉄
拐の如く、 「夏はさぞ涼いでしょう。」 「とんと暑さ知らずでござる。御堂は申すま....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
几の門附へずいと寄せ、 「さあ、まあ、お当りなさりまし。」 「難有え、」 と鉄
拐に褄へ引挟んで、ほうと呼吸を一つ長く吐いた。 「世の中にゃ、こんな炭火があると....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
に、ふわりふわりと見えます。」 と云うとふとそこへ、語るものが口から吐いた、鉄
拐のごとき魍魎が土塀に映った、……それは老人の影であった。 「や、これはそも、老....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
。」 「嘘を吐けい、誰じゃと思うか、ああ。貴公目下のこの行為は、公の目から見ると
拐帯じゃよ、詐偽じゃな。我輩警察のために棄置かん、直ちに貴公のその額へ、白墨で、....
「寡婦」より 著者:秋田滋
た。 ここにこういう形見を残していった人の祖父さんにあたる人は、恋愛、決闘、誘
拐などと数々の浮名をながした挙句の果に、かれこれ六十五にもなろうという年をして、....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
へ行った。青年は自分の身の上ばなしを語って聞かせた。 やっぱり軽業師の一行に誘
拐されたのだった。そしてジャンは、三年のあいだ、彼等につれられて、町から村へ、村....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
もある。ドッチにしてももとが小説だから勝手な臆測が許されるが、左母二郎が浪路を誘
拐して駕籠を飛ばして来たは大塚から真直ぐに小石川の通りを富坂へ出て菊坂あたりから....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
言って紋床へ割込んで、夕方から集る職人仕事師|輩を凹ますのを面白がって、至極の鉄
拐、殊の外稲荷が贔屓であったので、若先生の髪も紋床が承る。 (どうです豪傑、蝦蟇....
「活人形」より 著者:泉鏡花
るほどなるほど。と感じ入りたる体なり。銀平いよいよ図に乗り、「ええ、それで必定誘
拐されたという見込でな。僕が探偵の御用を帯びて、所々方々と捜している処だ。「御道....