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「拓く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

拓くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
荒蕪地」より 著者:犬田卯
理窟は、いっかな、さらりとはいかなかった。例えば、五十度の傾斜のある地面に水田を拓くとして、もしそれを半畝歩ずつに区切らなければならぬ場合、どうしたって一枚々々....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
のついでにも抱負の一端を洩らしていた。もし長くその椅子に坐していたら必ず新生面を拓く種々の胸算があったろうと思う。正倉院の門戸を解放して民間篤志家の拝観を許され....
富士」より 著者:岡本かの子
分たちのことに就ては「わたし達は、何ということはない平凡なものさ。けれども、山を拓くことにかけては、これでも人知れない苦労はしたものさ」 女《ひめ》は、幼いと....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
、そう言うても確かな様である。併しその影響が深く個性に沁み入って、変った内生活を拓くことはある。芭蕉の為事の大きいのは、正風に触れると触れぬとの論なく、ほうっと....
いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
日私がこゝで問題にしたいのは、主として、われわれ日本人が、民族としての運命を切り拓くために必要な共通の「反省」についてである。 そういう重大なことがらを、そし....
オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
人が祭ったので、これは後に女婿鴨県主家に譲ったのだとある。 伝教大師が比叡山を拓くや、これも地主神たる大山咋神を山王としてこの山に祭る。弘法大師が高野山を開く....
天馬」より 著者:金史良
の道に陥ち込んだ。だが彼女は己こそ真向から旧制度に反抗し新しい自由恋愛の道を切り拓く先駆者だと思い込み、次々と自分の方から男を作って行くのだった。玄竜も他ならぬ....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
係を解く公式というものは永遠に在り得ない。めいめいが自分の一生を自分で独自に切り拓くべきものである。それぐらいの理も弁えずに、自分がこうだから、あなたもこうしろ....
土竜」より 著者:佐左木俊郎
える新畑は、谷から頂へ向けて、ところ斑に黝んでいた。 梅三爺の、一坪四銭五厘で拓く開墾区域は、谷のせせらぎに臨んで建った小屋の背後から続いていた。 今は緑の....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
て翁が百歳の後、其精神は後の若者の体を仮って復活し、必彼山を越え、必彼大無人境を拓くであろう。汽車はます/\国境の山を上る。尾花に残る日影は消え、蒼々と暮れ行く....
読書法」より 著者:戸坂潤
ヴェートに見るような組織的経済の建設への推移は、経済統計学に対して全く新しい道を拓くものである、というのである。 さて以上のように統計・統計的方法・統計学・経....
新時代の「童話」」より 著者:豊島与志雄
いのだ。それから先は、自分で道を切り拓いて進むより外はない。自分で自分の道を切り拓く覚悟が、常に必要なのである。これは、先覚者とか先駆者とかについて言うのではな....
土地」より 著者:豊島与志雄
天道様にすまねえだ。……お前も本当に身を入れて働えてみろ。この荒地はおいらが手で拓くだと思ってみろ。これくれえ立派な仕事はねえ。」 「どうあっても町せえやってく....
風景」より 著者:豊島与志雄
ては、前途に一筋の大道は存在しない。自ら道を切り拓いて進むより外はない。道を切り拓くにつれて、それが一つの言葉となってゆくのだ。 詭弁であろうか。なぜなら、目....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
てから、コルテツとか、ピザロとかいう豪傑が押しかけて行ったのですが、これが土地を拓くつもりではなく、全く掠奪のつもりで行きました。掠奪に伴うものは虐殺でしてね、....