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「拘る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

拘るの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
暗黒公使」より 著者:夢野久作
に就いて、準備的の偵察をこころみるために……それからもう一つは嬢次少年が、生命に拘る大切なものを蔵しているという黒い手提鞄を、是非とも楽屋から盗み出しておかねば....
昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
の身辺に迫った一つの空気は前の二つの経験よりはもっとむきだしの形で生存の問題にも拘るものとして現れた。一つの息を呑んだような暗い緊張が漲ったのである。 石川達....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
今夜八時に、ウィード飛行場から出発だぞ」 突拍子もない話である。日本人の名誉に拘るとはいかなる事件が起きたのか、私には皆目呑こめない。 「何が日本人の名誉にか....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
ったので、さような事があっては折角土州の勧誘に応じた詮もない、つまり藩の存亡にも拘るから、あくまで反対党を阻止せねばならぬ、それには遂に兵器に訴えてもよいとこれ....
最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
れは、元来なかった制度を、模倣したと言わぬばかりの論達であるが、実は宮廷の権威に拘ると見たためであろう。このことは、日本古代に初夜権の実在した証拠になるのである....
貞操問答」より 著者:菊池寛
ってらしったでしょう。」と、云った。 こんなことで、取り乱しては、自分の品位に拘るとでも思っているのだろうか、態度だけは、あくまでも冷静に、言葉も針のように鋭....
次郎物語」より 著者:下村湖人
し。村里を興復せんとすれば必ず反抗する者あり。これを処するまたこの理なり。決して拘るべからず、障るべからず。度外に置きてわが勤めを励むべし。」 ぼそぼそと読み....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
療に関しては何の役にも立たない、ということだね。むしろ、潜在意識などというものに拘ることは、一ツの障碍にすらなっていますよ。なぜなら、原因を潜在意識にもとめると....
春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
その一例として「鼠の芸尽し」を引用する。 の直伝の智恵と申は経文書籍の言句文字に拘るこむつかしい事ではござらぬと文匣より赤本を取出し一学殿とやら是は今年の新板の....