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「招く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

招くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
魔術」より 著者:芥川竜之介
振返って、壁側《かべぎわ》の書棚を眺めましたが、やがてその方へ手をさし伸ばして、招くように指を動かすと、今度は書棚に並んでいた書物が一冊ずつ動き出して、自然にテ....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
た肩まで物も見事に担《かつ》いで見せた。が、今度は投げ出さずに、眼で猪首の若者を招くと、人の好さそうな微笑を浮べながら、 「さあ、受取るのだ。」と声をかけた。 ....
出帆」より 著者:芥川竜之介
帽子《やまたかぼうし》をかぶった、年よりの異人《いじん》が、手をあげて、船の方を招くようなまねをしていたのは、はなはだ小説らしい心もちがした。 「君は泣かないの....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ってきた。後代のものの眼から見るとこの仕方は彼らのせっかくの目的とは反対の効果を招くことになってしまったのである。 太陽の周期が正しく三六五日でないために生ず....
紅玉」より 著者:泉鏡花
容姿美しく輝くばかり。 二の烏 恋も風、無常も風、情も露、生命も露、別るるも薄、招くも薄、泣くも虫、歌うも虫、跡は野原だ、勝手になれ。(怪しき声にて呪す。一と三....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
まい。」 と悠然として打頷き、 「そこでじゃ、客僧。 たといその者の、自から招く禍とは言え、月のたちまち雲に隠れて、世の暗くなるは怪まず、行燈の火の不意に消....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
て燥げやい。」 三ツ目入道、懐手の袖を刎ねて、飽貝の杯を、大く弧を描いて楽屋を招く。 これの合図に、相馬内裏古御所の管絃。笛、太鼓に鉦を合わせて、トッピキ、....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
船頭なんか、要るものかい、ははん。」 と高慢な笑い方で、 「船からよ、白い手で招くだね。黒親仁は俺を負って、ざぶざぶと流を渡って、船に乗った。二人の婦人は、柴....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
の皿ぐらいあるのを、ぱくりと遣っちゃ、手に持った団扇をばさりばさり、往来を煽いで招くが、道幅の狭い処へ、道中双六で見覚えの旅の人の姿が小さいから、吹飛ばされそう....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
きを思い、白泡のずぶずぶと、濡土に呟く蟹の、やがてさらさらと穂に攀じて、鋏に月を招くやなど、茫然として視めたのであった。 蘆の中に路があって、さらさらと葉ずれ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
いう裏町、俗にお園小路と称える、遊廓桜木町の居まわりに在り、夜更けて門涼の団扇が招くと、黒板塀の陰から頬被のぬっと出ようという凄い寸法の処柄、宵の口はかえって寂....
良夜」より 著者:饗庭篁村
る功績をも叙せざるべからず。愛情のこまやかなるを記さんとしては、思わず人の嘲笑を招くこともあるべければ、それらの情冷かになりそれらの譏遠くなりての後にまた筆を執ることを楽むべし。....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
明い綺麗な色がある。外の春日が、麗かに垣の破目へ映って、娘が覗くように、千代紙で招くのは、菜の花に交る紫雲英である。…… 少年の瞼は颯と血を潮した。 袖さえ....
活人形」より 著者:泉鏡花
あ、汝は! と得三が、物狂わしく顧みれば、「光来、光来。ここまで光来と、小手にて招くに、得三は腰に付けたる短銃を発射間も焦躁しく、手に取って投附くれば、ひらりと....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
る。最少限度の物資獲得の名に於て我らの力の現状を無視していたずらに外国との紛争を招く事は充分警戒を要する。戦争は最大の浪費である。戦争とともに長期建設と言うも、....