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拝む
「拝む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拝むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
に御召しになった事がございました。私が始めてあの御姫様の、眩しいような御美しさを
拝む事が出来ましたのも、そう云う折ふしの事でございます。一度などは御二人で、私を....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
》われぬ。その証拠には御寺《みてら》御寺の、御仏《みほとけ》の御姿《みすがた》を
拝むが好《よ》い。三界六道《さんがいろくどう》の教主、十方最勝《じっぽうさいしょ....
「或る女」より 著者:有島武郎
るのと同じ事です。あなたは神だとはいいますまい。しかしあなたを通してのみ僕は神を
拝む事ができるのです。
時々僕は自分で自分をあわれんでしまう事があります。自分....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
んで大きな眼を引つらしたまま瞬《まばた》きもしなくなると、仁右衛門はおぞましくも
拝むような眼で笠井を見守った。小屋の中は人いきれで蒸すように暑かった。笠井の禿上....
「星座」より 著者:有島武郎
かたまでも清逸の眼に射しこんだ。一番前の両脚と、一番後ろの両脚とをかたみがわりに
拝むようにすり合せて、それで頭を撫《な》でたり、羽根をつくろったりする動作を根気....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
井は今のを聞かない振で、 「それから酒だ。」 綱次は入口の低い襖を振返って、ト
拝む風に、雪のような手を敲く。 「自分で起て。少いものが、不精を極めるな。」 「....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、べたり、ぐしゃッ、どろり、と塗る……と話す頃は、円髷が腹筋を横によるやら、娘が
拝むようにのめって俯向いて笑うやら。ちょっとまた踊が憑いた形になると、興に乗じて....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
れます御方ではござりませぬ。そうでなくとも、そんな御恩を被ったでござりますもの。
拝むにも、後姿でのうては罰の当ります処、悪党なら、お前様、発心のしどころを。 ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ランプの下に畏って、動くたびに、ぶるぶると畳の震う処は天変に対し、謹んで、日蝕を
拝むがごとく、少なからず肝を冷しながら、 「旅はこれだから可いんです。何も話の種....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、ちびりと飲む。塩辛いきれの熟柿の口で、「なむ、御先祖でえでえ」と茶の間で仏壇を
拝むが日課だ。お来さんが、通りがかりに、ツイとお位牌をうしろ向けにして行く……と....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
を競って咲いた。 ――白雪の階の下に、ただ一人、褄を折り緊め、跪いて、天女を伏
拝む女がある。 すぐ傍に、空しき蘆簀張の掛茶屋が、埋れた谷の下伏せの孤屋に似て....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
その前で精神統一の修行を致そうと思います。何かの目標がないと、私にはとても神様を
拝むような気分になれそうもございませぬ……。』 『それは至極尤もな願いじゃ、直ち....
「寡婦」より 著者:秋田滋
ぐにもその話を聴きたがった。けれども伯母はその話はしたくないと云った。が、皆なが
拝むようにして頼むので、伯母もとうとう話す決心をしたのだった――。 「私がサンテ....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
せたってドモ又の画は高くはないよ。こんどあいつらは生まれてはじめて画というものを
拝むんだ。うんと高く売りつけてやるんだなあ。 沢本 そうすると、俺たちはうんと....
「活人形」より 著者:泉鏡花
立てさせじと飛蒐りて、お録の咽喉を絞め上げ絞め上げ、老婆が呼吸も絶々に手を合して
拝むを見澄まし、さらば生命を許さむあいだ、お藤を閉込め置く処へ、案内せよ、と前に....