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拠り所
「拠り所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拠り所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
で手術をするようにと、このように申しておりました。……さて造顔致しますにしても、
拠り所がなければ致しかねます。沢山|面がございます。どれなりとお選びなさいませ」....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
」、「空即ち是れ色」です。 まなこということをしたいものです。心にしっかりした
拠り所をもって、心に太陽をもって清く、正しく、明るいシッカリした生活を営みたいも....
「読書法」より 著者:戸坂潤
として見出したのでありますが、恰も、其のキールケゴールは今日の弁証法的神学者達の
拠り所となっている。弁証法的神学は言う迄もなく、プロテスタントの甦生運動であるけ....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
急に普及した。なぜかと云えば、民衆の一部のものがここに何等かの社会的反抗の思想的
拠り所を見出し得ると考えたからである。従って現在ヒューマニズムが問題にされるその....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
じみとした、落着いた、ややこしい情緒をみると、私は現代の目まぐるしい猥雑さに魂の
拠り所を失ったこれ等の若いインテリ達が、たとえ一時的にしろ、ここを魂の安息所とし....
「辞書」より 著者:折口信夫
和訓はこうだ、などと書いてある。「此字、文選云……、和訓云々」、と出ている。何か
拠り所はあろうが、わからない。 いったい、辞書というものは何のために作るか。そ....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
眺めても、彼はその視線の前に自分自身を投げ出して、うわべを取繕おうとしなかった。
拠り所のない絶望的な真摯な心地になっていた。 二十 周平は、二階の室....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
にはならない、ということを彼は知った。次に、自分の生活が暗闇になって、もう何にも
拠り所がなく、再び立て直ることがない、ということを彼は感じた。次に、もし宮原俊彦....
「鴨猟」より 著者:豊島与志雄
怖と苦痛と流血とに喘いでるのもある。 主体的見地から、主観的に考える時、堅固な
拠り所のある大地の上で苦しむのと、掴み所のない流動してる水の上で苦しむのと、その....
「道標」より 著者:豊島与志雄
感じました。全くの他人の中に、身動きも出来ないほど押し込められてることは、確実な
拠り所を持ってるのと同じに感ぜられました。そしてその電車から降りて、広い空間に放....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
決してそういう単なる想像ではありません。物事を想像するその仕方の中に一つの確かな
拠り所があって、しかもその想像はある現実よりも一層真実であるというような生命力を....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
横光利一の野心が、ついに「旅愁」の後半に至り、人物の思考が美術工芸の世界へ精神的
拠り所を求めることによって肉体をはなれてしまうと、にわかに近代小説への発展性を喪....
「回想録」より 著者:高村光太郎
、其処をそういう風に考えながら拵えたら、丸でこれまでのと違って確りして動きのない
拠り所が出来た。それで私は、初めてこういうものも人間の身体と同じで動勢を持つとい....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
俤が、藤原|南家郎女の目に、阿弥陀仏とも言うべき端厳微妙な姿と現じたと言う空想の
拠り所を、聖衆来迎図に出たものだ、と言おうとするのでもない。そんなものものしい企....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
く十七字を並べてみるに限ります。けれども十七字を並べるというだけでは、漠然として
拠り所がないかもしれません。それで私はとりあえずこうおすすめします。 「や」「か....