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拵え物
「拵え物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
拵え物の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
る蝶々とは思われない。白い紙か……それとも白い絹のような物か……どっちにしても、
拵え物らしいよ。だが、その
拵え物がどうして生きているように飛んで歩くのか、それが....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に係りの役人衆に訴え出る。それからだんだんに調べてみると、どの蝋燭も芯は金無垢の
拵え物……。どうです、まったくおかしいじゃありませんか」 「むむ、おかしいな。そ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ばかり小遺いを貰って来ましたよ」と、半介はまた笑った。「だが、あの片袖は贋物でも
拵え物でもねえ、全くわっしが品川へ夜釣りに行って引き揚げたんです。死骸を引き揚げ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「おれは素人で、こんな物の眼利きは出来ねえが、彩色といい、木目といい、どう見ても
拵え物じゃあねえらしい。こりゃあ確かに本物だ」 神仏|混淆の時代であるから、こ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いたり、人間の生首がころげていたりして、忌でもそれを跨いで通らなければならない。
拵え物と知っていても、あんまり心持のいい物ではありません。 ところが、前にも申....
「別れの辞」より 著者:豊島与志雄
肩を組み合した。ねえ君、飲もう。うん飲もう。細い首の上の大きな島田の髪が、まるで
拵え物のように、力なくゆらめいているのを、長尾と大西はぼんやり眺めながら、ばかげ....
「性格批判の問題」より 著者:豊島与志雄
て、どこかその辺にいそうな人間のような気を起させる。これが一歩誤れば、傀儡となり
拵え物となりそうだが、踏み外していないところが豪い。其他いろいろ、性格の輪廓なり....
「今日の条件」より 著者:豊島与志雄
る。――所謂政治の線にのみ沿って進む文学が、人間的血液の乏しい傀儡ばかり跳梁する
拵え物に、ともすると転落する例は、あまりに多く見られた。政治を権力観念から解放す....
「水甕」より 著者:豊島与志雄
が白く、首の下にも白いところがありました。その白毛の配置がちょっと奇妙で、四足が
拵え物のように見えることもあれば、首の下の白いのが熊の月の輪のように見えることも....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
はありませんか。」 「いくら美しくても、大地がなくては何にもならん。つまり架空の
拵え物だ。」 北村はぷいと画面の前から離れ、室の中を歩き廻った。 沈黙が続い....
「小さき花にも」より 著者:豊島与志雄
のだった。私はまだ嘗てそんな思いをしたことがなかった。謂わば、外部の世界がすべて
拵え物になって、自分一人が曠野の中に残された感じだ。 それでも、またふしぎなこ....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
くなった。 それに一緒に住んで見れば、柔弱の伊太郎も鼻に付いた。 「万事万端|
拵え物のようで、活気というものがありゃアしない」彼女はこんなように思うのであった....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
だ。」 巡査は子細にあらためて、また俄かに笑い出した。 「はは、これは玩具だ。
拵え物だ。」 「ほんとうの蛇じゃありませんか。」 のぞき込む私の眼の前へ、巡査....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
うなそれぞれ似寄りの名前を付けまして、愚民の心を誘惑して居るです。しかし私は先に
拵え物のロボン・リンボチェを見て感情を害して居るところでしたから、この美なる天然....