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持ち味
「持ち味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
持ち味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
悲壮な決心で鷺娘に全霊を打ち込んだのだったが、悲しいことには百合子の芸には独特の
持ち味もなければ、習った形以外のうまみを見せるということがなかった。焦れば焦れる....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
其が大分明らかに姿を見せかけて来るのを喜び眺めた。此が的をはずれて(?)、従来の
持ち味及び、子規流の「とぼけ」からする、変態趣味の外皮を破って「家をいでてわが来....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
長い間、そんなに目立った存在ではなく、どちらかといえば、役柄のごく狭い、風変りな
持ち味で、ある種の舞台を面白くするという程度の関心のもたれ方をしていたのですが、....
「味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
に意を用いる必要はない。 日本の山海は、美菜美魚に恵まれすぎている。この天来の
持ち味を生かすか殺すかが、料理する者の責任であり、楽しみの種でもある。その昔、単....
「いなせな縞の初鰹」より 著者:北大路魯山人
の中間に美味層を有するものである。それゆえ、皮を剥ぎ、骨を去ってしまっては、魚の
持ち味は半減する。物によっては、全減するとまでいっても過言ではなかろう。それはも....
「衰えてきた日本料理は救わねばならぬ」より 著者:北大路魯山人
く、原料をよく知らないと料理がうまくゆかないものです。 原料の大事とは、原料の
持ち味や特質をよく知ることです。天質の
持ち味を大切に取り扱うことです。魚にしても....
「感想」より 著者:北大路魯山人
空間だらけ、ムダだらけの床の間を持つ古典日本建築に生甲斐を感じる、有数の抹茶碗の
持ち味に近い超道美をである。しかもこれだけで満足せず、これを如何に創り直すかが今....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
人々である。それがどうしたことか、かつての名茶人が必ず持ったところの茶人にかぎる
持ち味というものは、後代の茶人には合点がいっていないようである。 素人茶人の名....
「三州仕立て小蕪汁」より 著者:北大路魯山人
なことをやるが、心ある者のすべきことではない。 大根とか蕪などの野菜の場合は、
持ち味を絶対に捨てぬことである。魚の場合だったら、味噌汁は味噌汁の味のままにして....
「尋常一様」より 著者:北大路魯山人
と同じように、料理も、焼けばいちばんおいしいものを、煮てみたり、刺身にすればいい
持ち味のものを焼いたりしてはいないだろうか。わたしは先ほど客に、食うために作るこ....
「世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
ることだ。 一般に分り難い天然味と大衆に分りやすい人工味 天然の
持ち味は実にその数が多い。千種の魚があるとすれば、千の異なった
持ち味がある。万の....
「筍の美味さは第一席」より 著者:北大路魯山人
はこれで一種捨てがたい風味があって、充分珍重に価する。 しかし、筍も産地による
持ち味の等差というものの甚だしいのに驚く。もとより京阪は本場である。関東のそれは....
「日本料理の基礎観念」より 著者:北大路魯山人
コツのひとつであります。きゅうりならきゅうり、そらまめならそらまめに、それぞれの
持ち味があるのですから、その持って生まれた味を殺さないように工夫しなければなりま....
「日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
これを深く考慮しなければならない必要がある。 西洋料理や中国料理は、食品原料の
持ち味に欠けるものが少なくないために、料理する際に、盛んにいろいろな補助味を使っ....
「美食七十年の体験」より 著者:北大路魯山人
、これをおろそかに受け取ることは相済まぬことである。数千数万の食物は、一々別々の
持ち味をもっていて、人間に無上の楽しみを与えている。この一々の
持ち味を受け取って....