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「持ち込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

持ち込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
柄《おおがら》なものもあった。葉子は手早くそれをえり分けて見た。そして今度は船に持ち込む四季の晴れ着を、床の間の前にあるまっ黒に古ぼけたトランクの所まで持って行....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
引き受けた、おまえの旦那は決して死なしはしないから。 とも子 だってそんな寝棺を持ち込む以上は…… 花田 死骸になってここにはいる奴はこれだ。(といいながら、....
映画と音楽」より 著者:伊丹万作
叙情的に流れることを抑制しながら仕事をしている場合が多いのであるが、これに音楽を持ち込むと多くの場合叙情的になつて作者の色彩を薄らげてしまう。 しかしこれは深....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
隠れ家だとは!――君の夥しい気苦労のただ中へ、友情に甘えてさらにこんな配慮の種を持ち込むのを赦してくれたまえ。 シュテファン・ブロイニングが今ここに来ている。....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
制服を着る際には、どうしてもラジウムを、あの肉ポケットに入れて、うまく独房の中へ持ち込むより外に、いい手はなかった。 こんな風で、私の肉ポケットの疾患は、更に....
軍用鼠」より 著者:海野十三
てそこに店を開いて待ちうけている税関の役人の前にいって国境通過を願いいで、そして持ち込むべき荷物を検査してもらうのである。それが済めば、そこで税関前の小門から、....
恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
んでもない時間に訪問を受けることがしばしばある。そういう人に限って、厄介な用件を持ち込むものだ。私は舌打ちしながら、毛布をすっぽりと被ぶったまま、 「やかましい....
闖入者」より 著者:大阪圭吉
見るこの辺の風景が気に入ったのか割に元気になって、自分の部屋にきめた東室へ道具を持ち込むと、金剛へ、早速一枚スケッチしたいから先に入浴してくれるよう云い置いて自....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
ない。」という句を思い出させるような五人しかはいれないしくみの茶室本部と、茶器を持ち込む前に洗ってそろえておく控えの間(水屋)と、客が茶室へはいれと呼ばれるまで....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
細く、都合の悪いものです。それでは、金はいくらでもあってよいかと言うと、余り沢山持ち込むと、また、不幸になります。「人間は十万円以上は貯めてはいけない。それ以上....
恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
。お安が雇い人であれば、その主人に掛合うというすべもあるが、本人が主人では苦情を持ち込む相手がない。義助もまったく諦めるのほかはなかった。 ここまで来た以上、....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
につれて諸人の注意をひいた。親たちもそれを自慢していると、お杉が十七の春に縁談を持ち込む者があって、松田の村から婿をもらうことになった。婿はここらでも旧家と呼ば....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
生徒は彼を鬼に仕立てて、意地の悪い張学正をおどしてやろうと思い立って、その相談を持ち込むと、彼は慨然として引き受けた。 「よろしい。承知しました。しかし無暗に鬼....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いような一種不快の感をあたえることがあっても、それだけではまだ飼主に対して苦情を持ち込む有力の理由とは認められなかった。併したくさんの動物は決して狭い家の中にば....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のお徳をだんだんに詮議すると、案のじょう、近所の川春という仕出し屋の手でどこへか持ち込むことが判りました。川春はなかなか大きい店で、旗本屋敷や大町人の得意場を持....