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持主
「持主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
持主の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
ちひげ》の短い、まろまろと顋《あご》の二重になった、愛敬《あいきょう》のある顔の
持主である。
「これは本多少佐の履歴書だそうです。科長から今堀川教官へお渡しして....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
榾明《ほたあか》りに照された壁の上に大きい影が一つ映《うつ》っていた。しかし影の
持主は覗《のぞ》いている角度の関係上、どうしても見ることは出来なかった。ただその....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
始めたので、とり敢えず話題を開拓すべく、目前の馬を指さしながら、
「好い馬だな。
持主は誰だい。」と、まず声をかけた。すると意外にも若者は得意らしい眼を挙げて、
....
「星座」より 著者:有島武郎
け》に浴漕に浸っているままで大声に情婦を呼びたてる。そして聞き慣れない美しい声の
持主というのはジロンド党員の陰謀を密告するために、わざわざカンヌから彼を訪れたの....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
私を見出したお前は先ず失望するに違いない、私はお前が夢想していたような立派な姿の
持主ではないから。お前が外部的に教え込まれている理想の物指にあてはめて見ると、私....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
さだかには知り難し。 農夫は心して土地の仕切り定めぬ、 さなくば光や空気と同じく
持主は定め難からん。 今はこの土も鋤鍬の責苦のみか 人はその臓腑の奥までも掻きさ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
どに若え方は喜ばっしゃる。」 十八 「――(この上誰か、この手毬の
持主に逢えるとなれば、爺さん、私は本望だ、野山に起臥して旅をするのもそのためだ。....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
人が腰掛けて憩うが如く、乞食僧にありては、杖が鼻の椅子なりけり。 奇絶なる鼻の
持主は、乞丐の徒には相違なきも、強ち人の憐愍を乞わず、かつて米銭の恵与を強いしこ....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
局へ転任となって、その任に趣く途中だと云う。――それにいささか疑はない。 が、
持主でない。その革鞄である。 三 這奴、窓硝子の小春日の日向にし....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
た庭を見出して居る。その内春になった。春と共に静かであった別荘に賑が来た。別荘の
持主は都会から引越して来た。その人々は大人も子供も大人になり掛かった子供も、皆空....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
、一たび口を出でて、唇を垂れ蔽える鼻に入ってやがて他の耳に来るならずや。異様なる
持主は、その鼻を真俯向けに、長やかなる顔を薄暗がりの中に据え、一道の臭気を放って....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
うよう竹町の路地の角に、黒板塀に附着けて売物という札を貼ってあった、屋台を一個、
持主の慈悲で負けてもらって、それから小道具を買揃えて、いそいそ俵町に曳いて帰ると....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
防の下の石垣の中ほどに、置物のようになって、畏って、猿が居る。 この猿は、誰が
持主というのでもない。細引の麻縄で棒杭に結えつけてあるので、あの、湿地茸が、腰弁....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
すぐ門口にころがっているから。」 正直な夜番は、ベルをならして、うわおいぐつを
持主にわたそうとおもいました。二階にはまだあかりがついていました。けれど、うちの....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
、並木の清水と言うのであるが、これは路傍に自から湧いて流るるのでなく、人が囲った
持主があって、清水茶屋と言う茶店が一軒、田畝の土手上に廂を構えた、本家は別の、出....