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指し
「指し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
指しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
奥から一匹の白犬が、落葉を蹴立てて駈《か》けて来ました。
足一つの神はその犬を
指して、
「これは名を嗅げと言って、どんな遠い所の事でも嗅《か》ぎ出して来る利口....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
、喜び合っておるのでございます。」
その新しい神と云うのは、泥烏須《デウス》を
指しているのかも知れない。――オルガンティノはちょいとの間《あいだ》、そう云う気....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
ん水を注いだ上、まりやと云う名を与えていた。おぎんは釈迦が生まれた時、天と地とを
指しながら、「天上天下《てんじょうてんげ》唯我独尊《ゆいがどくそん》」と獅子吼《....
「少年」より 著者:芥川竜之介
―」
やっと腰を起した主人は保吉と云うよりもむしろ父へ向うの白壁《しらかべ》を
指し示した。幻燈はその白壁の上へちょうど差渡《さしわた》し三尺ばかりの光りの円を....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
いている。」
穂積中佐は嬉しそうに、遠い土塀に簇《むらが》った、赤い花の塊りを
指した。Ecoute-moi, Madeline………――中佐の心にはいつのま....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
》ってもかまいません。一名『木に縁って魚を求むる論法』と申すのは後に挙げた場合を
指したのであります。『全否定論法』或は『木に縁って魚を求むる論法』は痛快を極めて....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
の山の陰《かげ》じゃ。」
俊寛様は魚を下げた御手に、間近い磯山《いそやま》を御
指しになりました。
「住居と云っても、檜肌葺《ひわだぶ》きではないぞ。」
「はい....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
大時計が一つございます。私は電車を下りる時に、ふとその時計の針が、十二時十五分を
指していたのに気がつきました。その時の私には、大時計の白い盤が、雪をもった、鉛の....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
あの林檎を買っておくれよう!」 悪魔はちょっと足を休め、ファウストにこの子供を
指し示した。 「あの林檎を御覧なさい。あれは拷問の道具ですよ。」 ファウストの....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
いどの大水も床の上へ来たことは一度もなかった。僕は母や伯母などが濁り水の中に二尺
指しを立てて、一分殖えたの二分殖えたのと騒いでいたのを覚えている。それから夜は目....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
一つ一つの作品に渾成の趣を与えなかった、或は与える才能に乏しかった、と云う事実を
指したのであろう。この意味では菊池寛も、文壇の二三子と比較した場合、必しも卓越し....
「狂女」より 著者:秋田滋
ら、わし等のほうにも仕様があるんじゃ」 やがて、一行はイモオヴィルの森のほうを
指して次第に遠ざかって行った。 二時間ばかりたつと、兵士だけが戻って来た。 ....
「墓」より 著者:秋田滋
手にして、四囲に気をくばりながら戸外へ出た。 すると犬は、ボネエ将軍路のほうを
指して、一目散に駈けて行ったかと思うと、トモアゾン夫人の墓石のそばのところで、ピ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
人ァ巴里さ行って、その娘を探しあてただとよ」 そう聞くと、二人はすぐさま巴里を
指して歩きだした。 大都会に一歩あしを踏み入れると、彼等はその広いことと、往来....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
のあたりに、――O君はにやにや笑いながら、恐らくは君自身は無意識に僕にこの矛盾を
指し示した。 「カルシウム煎餅も売っていますね。」 「ああ、あの大きい句碑の前に....