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指環
「指環〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
指環の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
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膝の上に組んだ看護婦の両手。前になった左の手には婚約の
指環が一つはまっている。が、
指環はおのずから急に下へ落ちてしまう。
....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
見えるほど細らせていた。それから彼女が身につけたものも、――お鈴は彼女の安ものの
指環《ゆびわ》に何か世帯じみた寂しさを感じた。
「これは兄が檀那様《だんなさま》....
「影」より 著者:芥川竜之介
、徐《おもむろ》に大きな体を起して、帳場机の前へ歩み寄った。
「陳さん。いつ私に
指環を買って下すって?」
女はこう云う間にも、依然として鉛筆を動かしている。
....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
んぎょう》を男妾《おとこめかけ》にしていたと云う事、その頃は夫人の全盛時代で金の
指環ばかり六つも嵌《は》めていたと云う事、それが二三年|前《まえ》から不義理な借....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
天鵞絨《びろうど》の筐《はこ》を出した。筐の中にはいっているのは細いプラティナの
指環《ゆびわ》だった。僕はその
指環を手にとって見、内側に雕《ほ》ってある「桃子《....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
鶯鶯《おうおう》? そんなものがあるものか。」
「嘘をつき給え。論より証拠はその
指環じゃないか。」
なるほど趙生《ちょうせい》が指さした几《つくえ》の上には、....
「葱」より 著者:芥川竜之介
の世界の幻であった。そこには薔薇《ばら》の花の咲き乱れた路《みち》に、養殖真珠の
指環《ゆびわ》だの翡翠《ひすい》まがいの帯止めだのが、数限りもなく散乱している。....
「路上」より 著者:芥川竜之介
、名刺を辰子の手へ渡した。渡す時向うの手を見ると、青玉《サファイア》を入れた金の
指環《ゆびわ》が、細っそりとその小指を繞《めぐ》っていた。俊助はそれもまた美しい....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
《あぶら》ぎった赭《あか》ら顔は勿論、大島《おおしま》の羽織、認《みと》めになる
指環《ゆびわ》、――ことごとく型を出でなかった。保吉はいよいよ中《あ》てられたか....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
いますの。それも書生さんや、職人衆からではございませんの。」 娘客の白い指の、
指環を捜すように目で追って、 「中坂下からいらっしゃいます、紫|鹿子のふっさりし....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
りもせず、夫人はちょいと根の高い円髷の鬢に手を障って、金蒔絵の鼈甲の櫛を抜くと、
指環の宝玉きらりと動いて、後毛を掻撫でた。 廊下をばたばた、しとしとと畳ざわり....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
の扱帯にのせて、美しき手は芙蓉の花片、風もさそわず無事であったが、キラリと輝いた
指環の他に、早附木らしいものの形も無い。 視詰めて、夫人は、 「…………」もの....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
もこう云う問題に通じていた。が、逞しい彼の指には余り不景気には縁のない土耳古石の
指環も嵌まっていた。 「大したものを嵌めているね」 「これか? これはハルビンへ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
いた伯母の手を弄ぶともなく弄んでいた一人の若い女が、金色の頭髪でこしらえた小さな
指環にふと目をとめた。その時までにも何遍となく見たことはあったのだが、別に気にと....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
貨ではない。大抵は五厘か寛永通宝である。その又穴銭の中の文銭を集め、所謂「文銭の
指環」を拵えたのも何年前の流行であろう。僕等は拝殿の前へ立ち止まり、ちょっと帽を....