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「指輪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

指輪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
オリーヴ色の包み物を、しごきの赤が火の蛇《くちなわ》のように取り巻いて、その端が指輪の二つはまった大理石のような葉子の手にもてあそばれていた。 「お遅《おそ》う....
クララの出家」より 著者:有島武郎
くい背中のボタンをかけたりした。そしていつもの習慣通りに小箪笥の引出しから頸飾と指輪との入れてある小箱を取出したが、それはこの際になって何んの用もないものだと気....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
僕のところへやって来て、飯の給仕をしてくれながら太い指にきらめいている宝石入りの指輪を嬉しそうにいじくっていた。 「どうしたんだ?」僕はいぶかった。 「人質に取....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
食って出懸ける所を見ると、お前、頭にお前、造花なんぞ※して居やあがる。何処からか指輪が来ると云うあんばいで、仕事も休みがちで遊びまわるんだ。偶にゃ大層も無え。お....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
に、才子で勤めているんです。 その何ですとさ、会社の重役の放蕩息子が、ダイヤの指輪で、春の歌留多に、ニチャリと、お稲ちゃんの手を圧えて、おお可厭だ。」 と払....
」より 著者:池谷信三郎
い気持になって、いきなり男の胸に顔を埋めてしまった。 彼女の薬指にオニックスの指輪の跡が、赤く押されてしまった。新調のモーニングに白粉の粉がついてしまった。貞....
燕と王子」より 著者:有島武郎
ないのは残念だ。それは私の家では結婚する時にきっと先祖から伝えてきた名玉を結婚の指輪に入れなければできない事になっています、ところがだれかがそれをぬすんでしまい....
あの世から便りをする話」より 著者:海野十三
奥さんと話をすると、いろいろ符合する所があるそうで、例えば奥さんが夫には内緒で、指輪を奥さんの妹に買ってやった。それを先方で言い出したのです。「あなたに内緒で妹....
三枚続」より 著者:泉鏡花
も、才子がつんとしている胸よりも、山河内の姫様というのが、膝に置いた手の宝玉入の指輪よりも、真先に気が着いたのは、大人が机の傍に差置かれたる、水引のかかった進物....
梟の眼」より 著者:大倉燁子
属商というのは表面で、実は秘密に婦人達の間を廻り歩いている、損料貸しなのである。指輪や時計の交換などもやるので、重宝がられているのだった。彼は如才ない調子で、お....
鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
トもありそうな立派なダイヤが光っていたが、岩城文子の華奢な細い奇麗な指には一つの指輪さえなかった、こんな指にこそダイヤも引立つだろうのに――、と思った。赤星にじ....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
た事の続いたある日、私は公高の部屋で思いがけない沢山の物品を見たのです。ダイヤの指輪、女の腕時計、絽刺の紙幣入、その中にはかなりの大金が入っていた、私はかあッと....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
上に短刀を置いた。洋子はそれをちらりと横眼で見た。彼はポケットを探り、ダイヤ入の指輪と釘二三本とを同じくテーブルの上に載せて、無言でポケットをたたいて見せた。も....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
んから送られた帛紗包みは早速開けられました。中には私へ宛てた長い手紙と、ダイヤの指輪が一個入っていました。その手紙はまだその儘大切に保存していますから、随分くし....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
上流の社交界の花形。度胸もあり、弁舌もさわやかな頭のいい女だった。これがダイヤの指輪などをキラキラさせながら、飛行機に乗って私に『金を貸してほしい』といってきた....