指頭[語句情報] »
指頭
「指頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
指頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「M侯爵と写真師」より 著者:菊池寛
やかな最初の触鍵《タッチ》を下ろそうとした時です。聴衆の耳も目も、遠藤女史の白い
指頭に集まっていた時です。広い会堂が、風の落ちた森林のような静けさを保っている瞬....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
読み終ると、法水はそれを卓上に拡げて、まずその第七条(屍光と創紋の件)の上に
指頭を落した。その頃には、欄間の小窓から入って来る陽差が、「倫敦大火之図」の――....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
になっていた。燐寸の自然発火と、外函の両側に膠着された硝子粉のため、焼き爛らした
指頭には、黒い垢じみた繃帯を巻いていた。 作業にかゝると休憩まで、彼女達と彼等....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
たその小さな丸いものは、ヌルリと彼の指を濡らしたばかりだった。 彼はハッとして
指頭を改めた。 「おお、血だ、――血が落ちている」 その瞬間、彼の全身は、強い....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
違って、調子を作るために線の網目や並行の斜線を使用する必要がない。ぼかすためには
指頭を以て木炭で描いた上を摺る事もよろしい。 あまり
指頭でぼかし過ぎ、こすり過....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
う言葉がある。龍を画いて眼を点ずる! この点睛に相違ない。『しとう』というのは『
指頭』のことだろう。指先ということに相違ない。『きようだ』というのは『強打』なん....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
雉四郎の、その冑の前立であった。弦ヲ控クニ二法アリ、無名指ト中指ニテ大指ヲ圧シ、
指頭ヲ弦ノ直堅に当ツ! 之ヲ中国ノ射法ト謂フ! 正次の射法はこれであった。満を持....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
書かなかった。空想がすっかり消えてしまった。病気はひどく進んでいた。心臓の動悸、
指頭の顫え、私は全然中風のようであった。視力が恐ろしく衰えてしまった。そうして強....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。左は中指右は無名指が第二関節からない両手の甲は、骨の間がすっかり陥没して居て、
指頭が細く尖って異様に光っているばかりではなく、膝蓋骨から下の擂木は、殆んど円錐....
「キド効果」より 著者:海野十三
た。 「うふふん。――」 と咳払いをなされた木戸博士は、乾枯らびた色艶のわるい
指頭を Fig. 1 に近づけられて扨て仰有った。 「興奮曲線――と名付けるわし....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
たし、云云。 また、常州土浦町、五頭氏の報知によれば、「盆の裏へ狐狗狸の三字を
指頭にて書き、それに風呂敷ようのものを掛け、これに燧火をいたす、云云」とあり。信....
「残された日」より 著者:小川未明
ていますと、またちらちらと雪が落ちてきました。いままで、家に帰るのを忘れて手足の
指頭を真っ赤にして遊んでいた子供らは、いつしかちりぢりに別れて各自の家へ帰ってし....
「薬売り」より 著者:小川未明
かたがありませんのですが、この辺に水はありませんでしょうか。」と、薬売りは扇子を
指頭でいじりながらいいました。 「ずっと、あっちまでゆかないと井戸はありませんよ....
「てかてか頭の話」より 著者:小川未明
なく、指の頭で、堅い鬢付け油を欠いては、若者の頭に塗りました。額から汗が流れて、
指頭が痛くなりました。おじいさんは、
指頭に力を入れて、顔をしかめながら、 「この....
「机前に空しく過ぐ」より 著者:小川未明
坐って、他人の靴を修繕したり、足の大きさなどを計っているうちに、いつしか、自分の
指頭に皺が寄り、眼が霞んでくるように、私の青春も去ってしまえば、また、やがてその....