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「挙止〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

挙止の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
。そんな気持でしているのではないかもしれないが、そしてそうでない証拠にはすべての挙止《ものごし》がいかにもこだわりのない自然さを持っているのだが、後れ毛一つ下げ....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
駄《あずまげた》、絹張りの日傘《ひがさ》に更紗《さらさ》の小包みを持ち添えたり。挙止《とりなり》侠《きゃん》にして、人を怯《おそ》れざる気色《けしき》は、世磨《....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
いている。――なぜこう気が弱いだろう。頭脳も人には負けぬ。学問も級友の倍はある。挙止動作から衣服《きもの》の着こなし方に至って、ことごとく粋《すい》を尽くしてい....
こころ」より 著者:夏目漱石
》ぱ抜かないとも限りません。それ以来ことに目立つように思えた私に対するお嬢さんの挙止動作《きょしどうさ》も、Kの心を曇らす不審の種とならないとは断言できません。....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
うと思っているのでございます」と、女は話した。その物言いもはきはきしていて、その挙止も愛らしかった。 王申も気の毒に思って、水を与えるばかりでなく、内へ呼び入....
運命」より 著者:幸田露伴
て歿し、師は同十三年を以て歿す。洪武十五年|呉※の薦を以て太祖に見ゆ。太祖|其の挙止端整なるを喜びて、皇孫に謂って曰く、此荘士、当に其才を老いしめて以て汝を輔け....
備忘録」より 著者:寺田寅彦
もった雌猫であった。だれからもきれいとほめられる容貌と毛皮をもって、敏捷で典雅な挙止を示すと同時に、神経質な気むずかしさをもっていた。もちろん家族の皆からかわい....
小公女」より 著者:菊池寛
、あの子をまるで非人扱いにしていますが、でも、あの子は王族の血でもひいてるような挙止をしています。」 「君は、だいぶ詳しく知っているようだね。」 「あの子の生活....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
にくのことに翼の生えたイタズラッ子が胸に弓の矢を射こんでしまったから仕方がない。挙止まことに不自由をきわめてサルトルが目覚めた気配にサッと緊張する。スパイともな....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
をついた。実に妙なダラシない様子であった。陰鬱な英信ではあるが、坊主というものは挙止に礼儀を失わぬ、身についた作法があるもので、英信がこんな様子を示すのは尋常の....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
れは本官もフシギに思っておりました。御主人はあまり御壮健とも思われませんが、時に挙止に自由を欠くような持病でもお持ちでしたか」 「特別壮健ではございませんが、若....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
祝詞を述べていた。 そこよりはもっとずっと明るい明りで見ても、面貌の理智的な、挙止の端正なマネット医師が、パリーのあの屋根裏部屋にいた靴造りだと認めることは、....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
が新聞記者をスキャンダルの現場へ案内してルル説明したという常軌を逸したかのような挙止のみをとりあげてトヤカク云うのは甚しく当りません。常軌を逸したところでやむを....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
今日と成りては惜しき事をしましたと談次、先生|遽かに坐を起て椽の方に出らる。その挙止活溌にして少しも病後疲労の体見えざれば、予、心の内に先生の健康全く旧に復した....
春泥」より 著者:久保田万太郎
ほうへ眼をうつした。 「いゝえよ、吾妻はこゝで死んだんだ。」小倉はしみ/″\した挙止で「火に追われて小梅からこゝへ逃げたんだ。――土手へさえ出ればいゝと思ったの....