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振り出し
「振り出し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
振り出しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
究は始終を通じて、実に四十四年の永きにわたる。すなわち一八一六年の生石灰の研究を
振り出しに、同六〇年より六二年の頃に研究して結果の未定に終った磁気と重力との関係....
「流線間諜」より 著者:海野十三
ば、誰しも驚くにちがいない。筆者はこの辺で長い前置きを停めて、まず白昼の銀座街を
振り出しのR事件第一景について筆をすすめてゆこうと思う。 それは爽やかな秋晴れ....
「月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
守っていると、その黒い物は次第に近くよって来る。 矢張人間だ。 それが半布を
振り出した。こちらからもそれに応じて各自にハンケチを振った。 「博士だ※」 ....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
。「因業な恥知らずのお茶飲みで、二十年間も食事を薄くするにただこの魔力ある植物の
振り出しをもってした。そして茶をもって夕べを楽しみ、茶をもって真夜中を慰め、茶を....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
それにはサヴォイ・ホテルの酒場主任が出張して世界の新流行のカクテールを混合筒から
振り出して紹介する。「朝のカクテール」は夫人が其処で今まで覚えたなかで気に入った....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
ても世間を震憾させる大事件だった。抜目のない興行師はそれを芝居に仕組んで名古屋を
振り出しに地方の町をうって廻った。江戸市中はまだ公儀を憚って興行を避けていた。芝....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
俯向いて聴いていたが、やがて肌に着けていた鬱金《うこん》木綿の胴巻から三両の金を
振り出して亭主の前にならべた。 「旦那さまの二月分の勘定というのは幾らになるか知....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
すこし頭痛がするなどと云っていたが、医者に診て貰うほどの事でもないので、買い薬の
振り出しなどを飲んでいるうちに、二十九日の朝から何だか様子が変って来た。彼女は怖....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
場合があるのだ。だから、心理的にも器質的にも、僕は滅多に当らない、その二つの目を
振り出したという訳なんだよ。とにかく、あんな間違いだらけの説なので、いっさい相手....
「城」より 著者:カフカフランツ
るわけですね」
「そうです」と、彼女はいった。「私は〈橋亭〉旅館の馬小屋下女から
振り出したんですわ」
「そんなしなやかな手で」と、Kは半分たずねるようにいったが....
「光は影を」より 著者:岸田国士
れ、世界放浪の旅に出よう、そう考えた。今もそう考えている。機会をねらつてるんだ。
振り出しは中国さ。揚子江に沿つて、まず四川にはいる。アジア大陸横断にどれくらいか....
「一寸法師」より 著者:楠山正雄
しました。そこでさっそく打ち出の小槌を振って、そこへ食べきれないほどのごちそうを
振り出して、お姫さまと二人で仲よく食べました。 ごちそうを食べてしまうと、こん....
「曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
二た月余りの、売卜者《ばいぼくしゃ》の旅から帰って来たばかりであった。 品川を
振り出しに、川崎、保土ヶ谷、大磯、箱根。あれから伊豆を一廻りして、沼津へ出たのが....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
に沈む 天下の英雄寧ろ幾人ぞ 此の閣何人か是れ主人 巨魁来巨魁来巨魁来 北京を
振り出しに、この詩は、田舎へまでも拡がった。中華民国の津々浦々で、唄うともなく童....
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
》を立てかけたまま、角型《つのがた》の煙草入れからタコだらけの拳の上へ嗅ぎ煙草を
振り出しているところへ、どすんとつき当たった時、初めて少しばかり人心地がついたが....