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振るった
「振るった〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
振るったの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
ていたよ」 「未だ拝見しないものがあったら、君二三点見せ給えな」 「ウンあんまり
振るったのもないけれど二つ三つ見せよか」 岡村は立つ。予は一刻も早く此《ここ》....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
に土地の事情に暗く、生民の期待に添おうとしないで、地租改正のおりにも大いに暴威を
振るった筑摩県時代の権中属本山盛徳とはどんな人かなら、その後に下伊那郡の方で涜職....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
は限らないのだからである。一体ギャング性とはどういうものなのか。 単独で暴力を
振るったからと云ってギャングではない。ギャングには必ずその背景がなくてはならぬ。....
「形」より 著者:菊池寛
さえ容易ではなかった。敵の鎗の鋒先が、ともすれば身をかすった。新兵衛は必死の力を
振るった。平素の二倍もの力さえ
振るった。が、彼はともすれば突き負けそうになった。....
「河霧」より 著者:国木田独歩
色の隈なきにつれて、河霧夢のごとく淡く水面に浮かんでいる。豊吉はこれを望んで棹を
振るった。船いよいよ下れば河霧次第に遠ざかって行く。流れの末は間もなく海である。....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
の筆頭であった松平左近将監武元であった。が、その将監の懐中刀として、縦横に策略を
振るった者は梟雄北条美作であった。で、もし大弐や右門などに、遺児があったとしたな....
「予言」より 著者:久生十蘭
うと、手紙は卵の城から帰ってきたところで無くなっている。安部はスケッチ・ブックを
振るったり、床を這ったりして探したが、ない。思えば、あの時、残りの何頁かを、畳ん....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
精ッたらしく、 「あん?」 と、首だけをそっちへ振りむける。……いや、どうも、
振るった顔で。 どういう始末で、こんな妙な顔が出来あがったものか。 諸葛孔明....
「三国志」より 著者:吉川英治
な百人に頒けた。 魏に張遼あるも、呉に甘寧あり――と、呉の士気は、ために大いに
振るった。 昨夜の雪辱を期してであろう。夜が明けるとともに、張遼は一軍を引いて....