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振上げる
「振上げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
振上げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
へ、しばらくして、郵便――だった。 すらすらと読果てた。手紙を巻戻しながら顔を
振上げると、乱れたままの後れ毛を、煩さそうに掻上げて、 「ついぞ思出しもしなかっ....
「オンチ」より 著者:夢野久作
黒い棒を取上げて身軽く事務員風の男の背後にまわった。こちらに背中を向けて黒い棒を
振上げると、手といわず頭といわずメチャメチャに殴り付けて、とうとう地面に平ったく....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
えて居た庄吉の頤を土足で蹴倒しますると、柳田典藏は驚き、何者だと長いのを引抜いて
振上げる。此方も透さず道中差をすらりっと引抜き、 又「何者とは何だ、悪い奴らだ、....
「立札」より 著者:豊島与志雄
手の平静さに気圧されたようで、ちょっとたじろいだのが、更に憤激を破裂さして、拳を
振上げるなり、朱文の頬を殴りつけ、続けざまにまた二三回殴りつけました。 朱文は....
「桜の園」より 著者:神西清
…… ロパーヒン 春が来るまではね。 ワーリャ (包みから洋傘を抜きだす。まるで
振上げるような格好になる。ロパーヒン、ぎょっとした身振り)あら、何ですの、どうな....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
否っ」
大声で、次の間まで響く声で、叱咤すると、いきなり立った。そして、戒刀を
振上げると、すぐ、崩れるように坐った。肩で呼吸をして、全身を顫わして
「邪中の正....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
た。この時既に高田殿は、守刀を抜放していた。 広くはあっても限りある蚊帳の中、
振上げる度に鎌は引懸った。 守刀を突き込む刃先の鋭さには勝てなかった。女性なが....