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振払う
「振払う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
振払うの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女の決闘」より 著者:太宰治
うに、鼻孔をひろげて、荒い息を吐き吐き、せっせと歩いて、それに追いすがる女学生を
振払うように、ただ急ぎに急ぐのである。女学生は、女房のスカアトの裾《すそ》から露....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
ざいませんね」
と云うが、永らく看病してくれた義理があってみれば無下《むげ》に
振払う事も出来ず、
園「新どん唯一寸寝る許《ばか》りにしておくんなさいよ」
....
「バルザックの寝巻姿」より 著者:吉行エイスケ
した。すると、それまで黙々としていた彼の顔が、危険な形相に変って、邪慳に妾の腕を
振払うと、モナコの花開く寺院の饗宴場に向って行ってしまいました。妾はそうした男心....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
を立っちゃアいけません、そこは処女で、仮令向うが惚れていても、気障だよお止しよと
振払うのは娘っ子の情で、殊には二十二まで何だって島田で居る様な変り者だから、気短....
「斯ういう気持」より 著者:宮本百合子
愛は、瞬間、ふきの表情がぴったり自分にも乗移るのを感じた。彼女は、力を入れて其を
振払うようにした。 「そう、お通しして」 出て見ると、照子は相変らず白粉けのな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
四十七 そういう不意打ちには兵馬も今は慣れている。そこで、痛いっと言って手を
振払うようなことはしない。かえって、 「ふーん」 と深く考え込みました。 「仏頂....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
! 清原 (渋々と彼の隣に坐る) 長い、気まずい沈黙。 文麻呂 (沈滞した空気を
振払うように)ああ、何と云う静けさだろう。………ねえ、清原。ほら。聞えないかい?....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
たのです。 (お妙は気味悪るそうに近寄って、おいよをかかえ起そうとすれば、それを
振払うように、おいよは屹と起き直りて、二人の顔と顔とが向き合う。その物すごき形相....
「活人形」より 著者:泉鏡花
い。「水を打懸けるぞ。「啖い附くぞ。「苦、痛、ほんとに啖ついたな。この狂女め、と
振払う、むしゃぶりつくを突飛ばす。がたぴしという物音は皿鉢飛んだ騒動なり。 外....
「上海」より 著者:横光利一
石山はお柳が二人の話にだんだん興味を無くし始めたのを感じたのであろう。甲谷の話を
振払うように、左右を見たり、空虚のお茶をすすったりしながら早口にいった。 「あな....