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「振方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

振方の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
薄明」より 著者:太宰治
事になり、けれども妻も義妹もひどく疲れていながらなかなか眠れぬ様子で、何かと身の振方などに就いて小声で相談している。 「なに、心配する事はないよ。みんなで、おれ....
無惨」より 著者:黒岩涙香
たるや如何にと其身の上を気遣うのみ去れども別に詮方あらざれば何とかして此後の身の振方を定めんと思案しつ又も一夜を泊りたるに今日午後一時過ぎに谷間田探偵入来り種々....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
はん》の時、文三が叔母に対《むかっ》て、一昨日《おととい》教師を番町に訪うて身の振方を依頼して来た趣を縷々《るる》咄《はな》し出したが、叔母は木然《ぼくぜん》と....
三郎爺」より 著者:宮本百合子
、申込んだ。 彼は、「ウン、そうすべ」と、言下に承知した。そして女房にも、身の振方をきめてやるという条件つきで、そのことを話すと、女房も、「それも、よかっぺえ....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
する仕事はなし、退屈でたまらないから、閑つぶしに頭でもふってみようかといった風の振方である。 そっと指さきで触ってみると、虫は急に頭をすくめて、すぽりと巣のな....
対話」より 著者:宮本百合子
ふためいた人間どもを、火が移ったら其ぎりの小舟や橋に集めて見せるぞ。落付いて身の振方はつけさせず、類で誘《いざ》ない、数で誘って、危地へすらりとかたまらせる。―....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いる者があるので。 江井は御承知のとおり永年働いていて家族八人故このひとの身の振方については随分心配いたしました。国男には父のような月給が払えぬから。それで江....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
こから結婚の心配もして貰う方針です。多賀子は未定ですがここに手つだってやはり身の振方をつけていただく方がよいかと考えます。お母さんもそのお考えで、冨美子は出来る....
入れ札」より 著者:菊池寛
ときに、烈しい憎悪が、胸の裡に湧いた。大切な場合に自分を裏切っていながらまだ身の振方をでも相談しようとするらしい相手の、図々しい態度を見ると、彼はその得手勝手が....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
川ぶちにある、その間から斜向に向うに見えらあ、可いかい。 また居ようと思うなら振方を考えるまで二日でも三日でも居さっせえ、私ン処はちっとも案ずることはねえんだ....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
ではいない。寧《むしろ》この境遇から得た経験を資本《もとで》にして、どうにか身の振方をつけようと考えているだけの元気もあれば才智もあるらしい。男に対する感情も、....
水面に浮んだ女」より 著者:田中貢太郎
で、決心したから、出発しようと思う、就ては不自由であろうが、私が土州へ往て、身の振方がつくまで、辛抱していてくれ、土州へ往て、身の振方の着き次第、迎いに来るなり....