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捌け口
「捌け口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
捌け口の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鰊漁場」より 著者:島木健作
なり、日頃の自分の重苦しい気持というものは、誰に向っても不平の訴えどころのない、
捌け口のないというところからも来ている、ということに気がついた。そして日頃自分の....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
ことだった。これは空気抜けの穴でもあったし、また室内を水で洗浄するとき、その水の
捌け口でもあった。この穴に手首を入れてみると、楽に入った。しかし腕の附け根まで入....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。
「なるほど、飄逸や戯喩は、一種の生理的|洗滌には違いないがね。しかし、感情の
捌け口のない人間にとると、それがまたとない危険なものになってしまうんだ。だいたい....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
ますがドンナものでしょうか。新聞には出ていたそうですが……。 ……そんな大物の
捌け口が、ドン方面ばっかりで無い事は保証出来ます。露西亜や、支那に売込んで行く様....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
風のショオウィンドオにまでもこれらの幾つかを按排して、装飾の一つに応用するなど、
捌け口はいよいよ広くなりゆく。 都会の膨脹が尺地をも余さず、庭というもの店舗を....
「女子の独立自営」より 著者:与謝野晶子
る事を心得ているのが今の我我婦人です。 勢よく流れる水はいくら防いでも何処かへ
捌け口を見附ける如く、妻として母としての幸福を得がたい今の女子の或者が翻って他に....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
し可哀想にもなるけれど、いやいやいやとんでもない、可哀想なのはよっぽどその癇癪の
捌け口にされているこの俺のほうだろう。 しかもお神さんが別嬪さんなばかりで苦労....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
昧なラヴという便利な単綴語は、永遠に彼の唇の上にあって、あらゆる手紙のなかにその
捌け口を見出すのだった――それらの高雅な、感動的な、また上品な手紙は今も残ってい....
「娘」より 著者:岡本かの子
、日本趣味の復活に結婚式の櫛笄等に鼈甲の需要をまた呼び起したと共に、一方大陸への
捌け口はとまった。商売は、痛し痒しの状態であった。 一ばん大敵なのは七八年前か....
「雨」より 著者:織田作之助
そしてそのことが彼の敵愾心を一層強めた。 敵愾心を募らしてみても、しかし、その
捌け口に困った。一個一厘の廃球を割ったり、同級生の頭をこついたりしてみても、如何....
「日本の庭」より 著者:室生犀星
、そんなものに思いをひそめている人がいたらその人は庭をみながら柔かく教養、叡智の
捌け口を、手つだってくれることに気づく。滝田樗蔭氏は脇息にもたれ庭を見ながら雑誌....