捏造[語句情報] »
捏造
「捏造〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
捏造の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
これは驚いた。まさかアッタッシェの癖に、新聞記者と一しょになって、いい加減な嘘を
捏造《ねつぞう》するのではあるまいね。」
「誰がそんなくだらない事をするものか。....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
間の噂も、己の考えでは、誰か第二の己が第二のお前と一しょにいるのを見て、それから
捏造《ねつぞう》したものらしい。己は固くお前を信じている。その代りお前も己を信じ....
「或る女」より 著者:有島武郎
《せんだい》で、新聞社の社長と親佐《おやさ》と葉子との間に起こった事として不倫な
捏造《ねつぞう》記事(葉子はその記事のうち、母に関してはどのへんまでが
捏造《ねつ....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
の共棲《きょうせい》を我々に理解させるために、そこに論者が自分勝手に一つの動機を
捏造《ねつぞう》していることである。すなわち、その共棲がまったく両者共通の怨敵《....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、人間の本能の中から野獣と共通な部分を理智的に引き離して、純霊というような境地を
捏造しようとするのは、明かに本能に対する謂れのない迫害である。本能は分解とは両立....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
いうように思われた。それには、青木と田島とが、失望の恨みから、事件を誇張したり、
捏造したりしたのだろう、僕が機敏に逃げたのなら、僕を呼び寄せた坊主をなぐれという....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
という悪役人だッ」 僕はここまで聞くと、口惜しさのために歯ぎしりした。なんたる
捏造だ。なんたる侮辱だ。だが何故、自分の交っていたのを知っているのか。 「……こ....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
ん自身が撒いたもので、これは犯罪者特有のちょっとした掻乱手段です」 「出鱈目だ、
捏造だ!」 鴨田は尚も咆哮した。 「では已むを得ませんから、最後のお話をいたし....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
登って来た瞬間から、老人の気持はガラッと変って、生涯に一度の大嘘をついて化け物を
捏造し、娘の罪を隠し始めたのだった」 「だってそうすると、この化け物の狼藉の跡は....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
。 兄にも妹にも撥ね付けられて、内田は失望した。その失望から彼は根もないことを
捏造して、赤座兄妹を傷つけようと企らんだ。彼は土地の新聞社に知人があるのを幸いに....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いが強く鼻を打ってきたのだ。で、試みに、譏詞と諷刺のあらん限りを尽し、お座なりの
捏造を旗太郎に向けてみた。云うまでもなく、それは伸子の緊張と警戒を取り去るためだ....
「男女関係について」より 著者:大杉栄
人西川文子君の談話だというこの新聞記事も、恐らくは、例の黄色新聞記者のいい加減な
捏造に過ぎないのであろう。保子だって、君のことは、相応に尊敬している。 野枝さ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
われ等の眼にはよく映るのである。 友よ! 宗教なるものは、決して人間が人為的に
捏造したような、そう隠微不可解な問題ではない。宗教は地上の人間の狭隘なる智能の範....
「白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
ことを言ってやったところで、誰も信用する筈もなし、落第の申訳にそんな奇怪な事実を
捏造したように思われるのも、あまり卑怯らしくって残念だから、どこまでも自分の勉強....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
来たものだから囚人の手紙に違いない。事によると、これは夫の弁護に不満を懐いた女の
捏造で、家庭の平和を破壊してやろうという蛇のような復讐かも知れない、うっかり乗っ....