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「捧げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

捧げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
し始めた。すると果して吉助は、朝夕《あさゆう》一度ずつ、額に十字を劃して、祈祷を捧げる事を発見した。彼等はすぐにその旨を三郎治に訴えた。三郎治も後難を恐れたと見....
誘惑」より 著者:芥川竜之介
の表情。それから徐ろに喜びの表情。彼は十字架の前にひれ伏し、もう一度熱心に祈りを捧げる。 24 「さん・せばすちあん」の右の耳。耳たぶの中には樹木が一....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
がれていたのはドレゴにあらずして、実はもう一つの紅い花がたくさん挿してある花束を捧げる筈の人物の方にあったのだ。――「すると、僕の方はまだ別の美人に希望を持って....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
謝する。その他、内面的経験に関りを持った人と物との凡てに対して私は深い感謝の意を捧げる。 これは哲学の素養もなく、社会学の造詣もなく、科学に暗く宗教を知らない....
クララの出家」より 著者:有島武郎
境涯が自分を待っているのだ。 クララの顔はほてって輝いた。聖像の前に最後の祈を捧げると、いそいそとして立上った。そして鏡を手に取って近々と自分の顔を写して見た....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ず事実となって現われるもので避けることは不可能であるが、しかし呪法や祈願や犠牲を捧げることによって幾分かその効果を柔らげ、ともかくも一寸延ばしにすることはできる....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
を義勇兵と訳するのは適当でない。ここに言う「義勇」は皇運扶翼のために進んで一身を捧げる真の義勇兵である。 フランス革命後、兵力が激増し殊に準決勝時代である今日....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
を搬んで来たのです。丈太郎氏は九時二分過ぎに時報受信の実験をやり、やさしい夫人の捧げるレモナーデを手にとって一口に飲んだのでした。ところが丈太郎氏は忽ち身体に異....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
れは、よかった――」 司令官は、沈痛な面持をして、遥かな地点に、陳謝と祈りを、捧げるもののようであった。そういえば、湯河原中佐が、秘かに、司令官の室内に忍びこ....
地球盗難」より 著者:海野十三
われわれは彼等を怒らせてはならない。ああウラゴーゴル」 ドクトルは、神に祈りを捧げるときのような恰好をして、天を仰いで歎息をした。 ウラゴーゴルを怒らせては....
転機」より 著者:伊藤野枝
込んでいるKさん、ご存じでしょう? あの人でさえ、一時は、あの問題のために一身を捧げるくらいな意気込みでいたんですけれど、今日じゃ、何のたよりにもならないのです....
縁結び」より 著者:泉鏡花
神官殿別懇じゃ、宿坊で借りて行く……南無妙、」 と押つけるように出してくれる。捧げるように両手で取って、 「大助りです、ここに雨やみをしているもいいが、この人....
発明小僧」より 著者:海野十三
へ『通信事務』のハンコをペタリと捺して、お住居へ送り返せ!」 多忙病の人に捧げる 千手観音装置 秘書「そりゃ私も忙しくて閉口してますよ。だが、失礼ながら....
仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
位のことは計算の誤差で、後や前になるかも知れないのだ。もう目を閉じて、神に祈りを捧げるのがよい頃合であろうか。 喜助は、口を大きく開いて、苦しそうにハァハァ喘....
むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
がしに云うのを耳にしながら、平然として告別式に列席し、納骨式に拍手を拍って祝詞を捧げる彼だ。伯父の死も謎かも知れないが、私の目の前にいる彼もまた謎の人のように思....