捨札[語句情報] » 捨札

「捨札〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

捨札の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
え」 新「好い塩梅だねえ、おや此処《こゝ》はお仕置場だな」 と見ると二ツ足の捨札に獄門の次第が書いて有りますが、始めに当時無宿新五郎と書いて有るを見て、恟《....
乱世」より 著者:菊池寛
た。そしてその後、代りに、その中央の獄門台に、若い武士の首級が一つ晒されていた。捨札には達筆で、次のように書いてあった。 桑名藩 新谷格之介 右者京畿ニ於テ....
名君忠之」より 著者:夢野久作
。仕儀によっては与九郎奴を、肥後、薩摩の境い目まで引っ立てて討ち放せ。その趣意を捨札にして、あすこに晒首にして参れ。他藩主の恩賞なんどを無作と懐中に入れるような....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
て行って、人民の鑑戒としたものである。且つ刑場には、罪状および刑罰の宣告を記した捨札《すてふだ》を立て、罪人を引廻《ひきまわ》す時にも、罪状と刑罰とを記した幟《....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
れたのが、この横禍の因をなしたのである。遺骸の傍に、大逆のために天罰を加うという捨札があった。次郎は文化十一年|生で、殺された時が四十九歳、抽斎より少きこと九年....
白くれない」より 著者:夢野久作
き、ため息の音、笹原を渡る風の如くどよめく有様、身も竦立つばかりなり。 やがて捨札の読上げ終るや、矢来の片隅に控へ居りし十数人の乞食ども、手に/\錆びたる槍を....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
孝助は後見となり、芽出度く本領安堵いたしますと、其の翌日伴藏がお仕置になり、其の捨札をよんで見ますと、不思議な事で、飯島のお嬢さまと萩原新三郎と私通いた所から、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
生首《なまくび》が二つ、竹の台に載せられてあったから驚かないわけにはゆきません。捨札《すてふだ》も無く、竹を組んだ三脚の上へ無雑作《むぞうさ》に置捨てられてある....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のか、相当の木像の首が、三尺ばかり高い台の上に、厳然と置き据えられて、その傍らに捨札がある。 逆賊 足利尊氏の首 同 弟 直義の首 主膳はムカムカと....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
場へ送られて行く子鉄は、大体に於て仕来《しきた》りの通り、裸馬に乗せられて、前に捨札、役人と非人と人足が固めて、そうしていよいよ刑場まで着いて馬から引下ろされた....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
往来の人は、その晒し者の奇怪なグロテスクを一目見ると共に、その直ぐ上に立てられた捨札を一読しないわけにはゆかぬ。その捨札には次の如く認《したた》められてあります....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
てくる、それをじっと踏み締めて、見上げ見下ろすと、つい今まで気がつかなかったが、捨札がその首の傍らにある。 「右之者、先年より島田左兵衛尉へ隠従致し、種々|姦....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
二人掛けと三人掛けがあって、二人掛けの方は長さが六尺、三人掛けは八尺……その側に捨札が立って、朱槍《しゅやり》と捕道具《とりどうぐ》が並ぶ、向って右手の横寄りに....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
。 五 文治が先に立って江戸橋へ向って参りますと、真先に紙幟を立て、続いて捨札を持ってまいりますのは、云わずと知れた大罪人をお仕置場へ送るのでございます。....