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「捨鉢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

捨鉢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ると彼れの心はすぐ不貞腐《ふてくさ》れるのだった。刃《やいば》に歯向う獣のように捨鉢《すてばち》になって彼れはのさのさと図抜けて大きな五体を土間に運んで行った。....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
ないのだし、まったくこんなふうに、いつ来るか――いつ来るかいっそ来てしまえばとも捨鉢に考えてみたり、また事によったら、一生を終えるまで出ずにはすみはしまいかと―....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
こそ入場料を払ってはいった。ひそかに抱いていた性的なものへの嫌悪に逆に作用された捨鉢な好奇心からだった。 自虐めいたいやな気持で出て来た途端、思い掛けなくぱっ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ればならぬ。しかも更に悪いことには、人間はこの運命の狂いを悔いることなく、殆んど捨鉢な態度で、この狂いを潤色し、美化し、享楽しようとさえしているのだ。 私達は....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
」 渡辺刑事は彼等の奸智に長けた事と用心深い事にすっかり感心して終った。浅田は捨鉢になったように黙りこんだ。 「ふん」 渡辺刑事はじっと腕を組んで考えた。支....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
来ません。ここに近代日本の美人は悲劇を持たねばなりません。 短いくの字の足を、捨鉢となって勇敢に露出することに決心した彼女達は勇ましく、レヴューのために足を並....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
うとも勝手にしやがれと、小宮山は唐突かれて、度胆を掴まれたのでありますから、少々捨鉢の気味これあり、臆せず後に続くと、割合に広々とした一間へ通す。燈火はありませ....
「雨」より 著者:織田作之助
きつけられ、歪んだ顔で見た。ひそかに抱いていた性的なものへの嫌悪に逆に作用された捨鉢な好奇心からだった。自虐めいたいやな気持で楽天地から出てきたとたん、思いがけ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
れ以上は仕方がない。心気｜疲労れて仆れるまで、ここにこうして立っていよう」造酒は捨鉢の決心をした。こうして二人は場の真ん中に、数百人の眼に見守られながら、静まり....
「おせん」より 著者:邦枝完二
の見世に休むにしても、当の金的はかぎ屋のおせんただ一人。ゆうべ吉原で振り抜かれた捨鉢なのが、帰りの駄賃に、朱羅宇の煙管を背筋に忍ばせて、可愛いおせんにやろうなん....
「瘤」より 著者:犬田卯
やどうにも対策が考えつかず、いっさいを投げ出して再び満鮮地方へでも出かけようかと捨鉢な気持さえ起りかねない矢先だった。 「なんでしょうね、あんた……」と妻は心配....
「偽刑事」より 著者:川田功
迫して来る力を感じた。夫れが彼に反抗心を強いて居るのであった。 「私は探偵です」捨鉢に成った彼は又しても軽卒にこんな事を云って了った。これも又直ちに後悔しなけれ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
き沈んでいた女が気が狂ったのでなく静かに笑い出すときがそれであります。さればとて捨鉢の笑いでもありません。訊いてみると、「ただ何となく」といいます。私はその心境....
「雨」より 著者:織田作之助
世物になっているのを、豹一はひそかに抱いていた性的なものへの嫌悪に逆に作用されて捨鉢な好奇心から見に行き、そして案の条、自分を虐めつけるいやな気持を味わされて楽....
「俗臭」より 著者:織田作之助
父さんは――」 終いまでいわさず、賀来子は、 「そうです。そうです」と叫んだ。捨鉢な調子であったから、政江は何かぎょっとした。稍震えた。 「矢っ張りそうでっか....