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据る
「据る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
据るの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
外套というも極りの悪い代ものが釦で棚へ入って、「お目金、」と四度半が手近な手函へ
据る、歯科のほかでは知らなかった、椅子がぜんまいでギギイと巻上る……といった勢。....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
り霊妙に、その実と、蓋とが、すっと風を吸って、ぴたりと合って、むくりと一個、瓜が
据る。肉取り、平象嵌、毛彫、浮彫、筋彫、石め、鏨は自由だから、蔓も、葉も、あるい....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
内に火が真丸になる、と見ている内、白くなって、それに蒼味がさして、茫として、熟と
据る、その厭な光ったら。 映る手なんざ、水へ突込んでるように、畝ったこの筋まで....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
得て、 「競争をしてるんでさ、評判なんで。おい、姉さん、御主人様がこちらへお褥が
据るから、あきらめねえ、仕方がねえやな。いえさ、気の毒だ、私あ察するがね、まあ堪....
「死者の書」より 著者:折口信夫
方から進ぜなかったら、斎き姫になる娘の多い北家の方が、すぐに取って替って、氏上に
据るは。 兵部大輔にとっても、此はもうが重かったからである。其には、一番大事な条....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
のことを書こう、上海の女のことをね! と、こう云うと君は「素敵だ!」と叫んで眼を
据るだろうね。そうとも、男に執って女ほど魅力的なものはないのだからね。そうして旅....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
べだけぎらぎら光ってる、不気味な眼の光だった。その眼がぐるりと回転して一つの所に
据ると、誰か来たようだから見て来いと云い出した。女中が居るからいいと彼が答えても....
「職工と微笑」より 著者:松永延造
は娘の居る都市から他の都市へと移る勇気がなくなって了った。私は到頭一つの場所へ居
据るようにさせられた。 何うしたらあの娘と関係をつけることが出来るだろう。それ....
「我に叛く」より 著者:宮本百合子
彼女と共に真木の存在や気分を勘定には入れてくれない。若し、自分が、このまま一生居
据ると云っても、恐らく誰一人それを真木のために愕きかなしむ者はなかろうと思うほど....