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据置
「据置〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
据置の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
枝には白き渚を掛け、緑に細波の葉を揃えた、物見の松をそれぞと見るや――松の許なる
据置の腰掛に、長くなって、肱枕して、面を半ば中折の帽子で隠して、羽織を畳んで、懐....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
。女房、謹んで公子に礼して、美女に椅子を教う。 女房 お掛け遊ばしまし。 美女、
据置かるる状に椅子に掛く。女房はその裳に跪居る。 美女、うつむきたるまましばし、....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
、卓子、戸棚の在所などがしっかり知れる。 上に、その六月目、七月目の腹籠、蝮が
据置かれた硝子戸棚は、蒼筋の勝ったのと、赤い線の多いのと、二枚|解剖の図を提げて....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
てるも勿体なし……誰方ぞ参詣の折には、手向の花を挿れても可いと思うて、石塔の前に
据置きましたじゃ。さ、さ、回向をなされ。いずれも久しい馴染じゃな。」 と、ほろ....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
ません、これへ酌ぎますか」 しの「はい」 安「宜しゅうございます」 と机の上へ
据置いた若草の位牌の前へ盃を置き、なみ/\酒を酌ぎました。 しの「アヽ宜うござえ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
姿を消してしまい、相撲の娘は売れないので居辛くなり、いつとなし足をぬいて、前借は
据置のままに大増の女中に住みこむなど、激しい気象のお神にも、拒ぐに手のない破綻は....
「寺じまの記」より 著者:永井荷風
いて見ると、箪笥《たんす》、茶《ちゃ》ぶ台《だい》、鏡台、長火鉢、三味線掛などの
据置かれた様子。さほど貧苦の家とも見えず、またそれほど取散らされてもいない。二階....
「胚胎」より 著者:宮本百合子
手 景 近侍達の住んで居る長屋体の建物の中央にある広場。 かなり間をおいて石の
据置の腰掛が三つあって足の所に苔が生えて居る。 広場には一本も木がなく正面には三....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
々は生きているだろう。官庁などの月給は、今日の下駄一足、足袋一足に近い金額のまま
据置かれた。特別の技能を持たず、収入の途を図れない人々が落ちて行くところは闇商売....