捷い[語句情報] » 捷い

「捷い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

捷いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
この商売は根気が好くなければならない。殊に科学捜査の発達しない此の時代には、眼の捷いのと根の好いのが探索の宝である。半七はその日から山谷の蕎麦屋を足溜りにして、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。 おなじ生き物のうちでも飛ぶ鳥と来ては最も始末がわるい。まして鷹のような素捷い鳥はどこへ飛んで行ってしまったか判らない。それを探し出すというのは全く困難な....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一の年から奉公に来て、まだ六年にしかならないが、年の割にはからだも大きく人間も素捷い方で、店の仕事の合い間には奥の用にも身を入れて働く。若い者のうちでは長太郎が....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が声をひそめて訴えて来ると、半七は持っていた煙管を思わず投げ出した。 「畜生、素捷い奴だ。よもや家へ帰りゃあしめえが、まあ念のために行ってみよう」 かれは急い....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
者も判っているんですがね」と、半七老人はここで註を入れた。 「そいつはなかなか素捷い奴で、山城屋の女房と女中が奉行所へ呼ばれたと聞くと、すぐに夜逃げをして、どこ....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
った。ト、下駄の歯の間に溜った雪に足を取られて、ほとほと顛びそうになった。が、素捷い身のこなし、足の踏立変えの巧さで、二三歩泳ぎはしたが、しゃんと踏止まった。 ....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
った。花やかともいえよう、ものに激した挙動の、このしっとりした女房の人柄に似ない捷い仕種の思掛けなさを、辻町は怪しまず、さもありそうな事と思ったのは、お京の娘だ....
恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
を両手に掴んで来て、四郎兵衛を目がけて続け撃ちに叩きつけた。その行動があまりに素捷いのと事があまりに意外であるのとで、周囲の人びとも呆気に取られて眺めているばか....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
れであった。 この意味からいって、彼が最も憎んでいるのは本庄采女であった。眼の捷い彼は姫と采女との関係を決して見逃がさなかった。采女という邪魔外道をなんとか片....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ゴ!」 「こいつは不可い。」 「お、小父さんお客様。」 お母さんに肖てこれも敏捷い!……折から、店口の菊花の周囲へ七八人、人立ちのしたのをちらりと透すとともに....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
はもう鏡台から顔をそむけて、すぐに衣装を呼んでくれと言った。わたしはその余りに素捷いのに驚かされながら、正面に向き直った彼の顔を更にじっと見つめると、彼の顔は一....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
に、成べく白昼を避けて夜陰に忍び込み、鶏や米や魚や手当り次第に攫って行く。其の素捷いことは所謂猿の如くで、容易に其影を捕捉することは能ぬ。 又たとい其姿を認め....
活人形」より 著者:泉鏡花
くりょう。と力瘤を叩けば、得三は夥度頭を振り、「うんや、汝には対手が過ぎるわ。敏捷い事ア狐の様で、どうして喰える代物じゃねえ。しかし隙があったら殺害ッちまえ。」....
五重塔」より 著者:幸田露伴
えちょっと話があって来たが、むむそうか、もう十兵衛がところへ行ったと、ハハハ、敏捷い捷い、さすがに源太だわ、我の思案より先に身体がとっくに動いて居るなぞは頼も....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
も露助らしい名だと思えた。イワンの馬鹿ということがある。だが、この少年なかなか敏捷い。 「君、ここにイワンと書いてくれないか。」 誰かがそのノートを突き出した....