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掉尾
「掉尾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掉尾の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「名人伝」より 著者:中島敦
ての活動などあろうはずが無い。もちろん、寓話《ぐうわ》作者としてはここで老名人に
掉尾《ちょうび》の大活躍《だいかつやく》をさせて、名人の真に名人たるゆえんを明ら....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
渡守はただ板倉の意見をそっくりそのまま自分の名で発表したのに過ぎないのであった。
掉尾《とうび》の大功を惜しげもなく割愛して、後進に花を持たせた先輩の襟懐《きんか....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
大いに吠え囓まざるなし。もしこの狗寺に入るを見ればことごとく住《とど》まり低頭|
掉尾《ちょうび》すとある。タヴェルニエー等の紀行に、回教徒の厳峻な輩は、馬にさえ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いて死の苦痛を甘受する精神は、勇敢をして熱狂たらしむる。その白兵戦のうちに各人が
掉尾《とうび》の勇を振った。街路には死屍《しかばね》が累々と横たわった。
防寨....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
如何にも飄逸にして拘泥しない半分以上トボケて居る所が眼目であります。小生はあれが
掉尾だと思って自負して居るのである。あれを不自然と思うのはあのうちに滑稽の潜んで....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
いような感じをあたえた。彼はこのごろ多病であるという噂も伝えられた。 菊之助が
掉尾の一振ともいうべきものは、明治三十年二月の歌舞伎座で勤めた「関の扉」の小町姫....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
椿岳の兄の八兵衛の奮闘努力に由るので、幕末における伊藤八兵衛の事業は江戸の商人の
掉尾の大飛躍であると共に、明治の商業史の第一|頁を作っておる。 椿岳の米三郎が....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
重《いちりゅうさいひろしげ》の二大家現はれ独立せる山水画を完成し江戸平民絵画史に
掉尾《とうび》の偉観を添へたり。 余はここに北斎広重二家の山水を論ずるに当り、....