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排外
「排外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
排外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「現代日本の開化」より 著者:夏目漱石
べつ》して見るとまあ比較的内発的の開化で進んで来たと云えましょう。少なくとも鎖港
排外の空気で二百年も麻酔したあげく突然西洋文化の刺戟《しげき》に跳《は》ね上った....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
むしろ軽薄子の軽忽に認むるかの博愛主義に近きところあるも、反りて固陋徒の抱懐する
排外的思想には遠ざかるをもってなり。吾輩は今ここに国民論派を叙するに当たり、かの....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
種になったのだ。お前は恋のために私をだまし、先輩や朋輩衆に勤めを欠いた。恋ぐらい
排外的になりがちなものはないからな。また多くの恋する人は他人を排することによって....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
横浜開港一周年の記念日をむしろ屈辱の記念日として考えるものもあるような、さかんな
排外熱は全国に巻き起こって来た。眼のあたりに多くのものの苦しみを見る半蔵らは、一....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
のみではなかった。その時になって見ると、全国を通じてあれほどやかましかった多年の
排外熱も、ようやく行くところまで行き尽くしたかと思わせる。 三 ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
あろう。決して今日のように人心動揺して外人を讐敵のように見ることはあるまい。この
排外は、全く今までの幕府政治の悪いのと、外交以来諸藩の費用のおびただしいとによっ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
たる小人の彼は、身をめぐる自然の豪快を仮って、纔に自家の気焔を吐くことが出来る。
排外的に立籠めた戸障子を思いきり取り払う。小面倒な着物なンか脱いでしもうて、毛深....
「読書法」より 著者:戸坂潤
理解は途方に迷うだろう。著者はこの点についてあまり注目していない。単に、徒らなる
排外主義は心ないものだ、大いに西欧的観点をも容れて日本教育の伝統を生かし、以て新....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
てのこの特有な〔軍国〕意識は、帝国主義的、ファシズム的、そして更に〔軍部〕的な〔
排外〕主義なのだ。之は日本ファシズムの要約としての日本主義にとって、決定的な特色....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
自由で純粋なものではない。というのは、当時のドイツ民族特有な反フランス主義的な・
排外的な・鎖国主義的国粋主義的な・見解が、夫を貫いているからである。ドイツ人は最....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
たしかに、対外的受動に於て平和な国だった。だから日本国民は実はヨーロッパ諸国民程
排外的でもなければ敵愾心が強くもない。愛国心だって本物ではない、とさえ云われてい....
「辞典」より 著者:戸坂潤
この理論によると世界の人種の間には先天的に優劣の差があるのであって、今日の人種的
排外主義の理論的根拠の有力な一つとなっている。だが元来、社会関係がこのような生物....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のための狂暴な道具となっていた。労働者のオーベルは、学び知った人道主義と本能的な
排外主義との間に引張り凧《だこ》となって、気も狂わんばかりだった。幾晩も眠らずに....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
但し接続する時だけで、字どまりの木や子は同じキでありコだそうだね。 三宅島には
排外的な気風がやや目立つそうであるが、大島の人たちは、男女ともに明るくて、人みし....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
の娘達の後のためを考えて、そなたが先ず魁を見せたらばな」 山間|僻地に多年潜む
排外思想の結果、若き女の血に燃えるのを、脅威を以て抑圧していた、その不合理を打砕....