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掘出し
「掘出し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掘出しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「聖書」より 著者:生田春月
統を承けているらしいすっきりした顔は、微笑にゆるんで、やや得意の色があった。 「
掘出し物だ。ヴィクトリア朝のものじゃない、どうしても百年前のものだね」 「へえ」....
「食魔」より 著者:岡本かの子
り出した。見よ、そこに蠢くものは、もはやそれは生物ではない。埃及のカタコンブから
掘出した死蝋であるのか、西蔵の洞窟から運び出した乾酪の屍体であるのか、永くいのち....
「海底都市」より 著者:海野十三
聞いているような気がするよ。――それで、その資源というと、どんなものかね。特別の
掘出し物でもあるのかね」 「それはいろいろあるという話ですがね、中でもみんなの期....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
廂《ひさし》のように出ていた。一郎は、時間のたつのも忘れて、じっと見つめていた。
掘出した扇風機 新潟県から帰ってきて、一郎はすっかり考えこんでしまった。除雪車....
「火星兵団」より 著者:海野十三
から又、そこの檻の中に病気で弱っている火星人ルルは、博士が日本アルプスの山中から
掘出して来たという草の根を、くさりかけた体にぬって、たいへん気持がよくなったとい....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
い。が近頃では、女房も見張りに馴れたし、亭主も段々古本市だの場末の同業を狙って、
掘出しに精々出あるく。 ――好い天気の、この日も、午飯すぎると、日向に古足袋の....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
前に整然と心得ているくらいは愚な事。ああ今頃は清軍の地雷火を犬が嗅ぎつけて前足で
掘出しているわの、あれ、見さい、軍艦の帆柱へ鷹が留った、めでたいと、何とその戦に....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
も、桜木町の赤襟にもこれほどの美なるはあらじ、ついぞ見懸けたことのない、大道店の
掘出しもの。流れ渡りの旅商人が、因縁は知らずここへ茣蓙を広げたらしい。もっとも総....
「鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
枕元へあらわれて、境内の柳の下を掘ってみろ。そこには古い鏡が埋まっている。それを
掘出したものは自分の願が叶うのだというお告げがあったそうです。そこで、あくる晩、....
「兜」より 著者:岡本綺堂
してもらうと、それは何代目かの明珍の作であろうというので、勘十郎は思いもよらない
掘出し物をしたのを喜んだという話であるから、おそらく捨値同様に値切り倒して買入れ....
「穴」より 著者:岡本綺堂
際に何かの貴重品でもうずめて立去ったか、二つに一つで、それを今日になってひそかに
掘出しに来るのではあるまいか。今日では土地の所有権が他人に移っているので、表向き....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
っている元の丹那沼の中からは、時々|神代杉を掘出すという事から始まって、土中から
掘出し物をする話しが土地の者の口から出た。田代の古城跡から武器が出たとか。法輪寺....
「久保田米斎君の思い出」より 著者:岡本綺堂
をされたようです。 何時頃でしたか、米斎君が私のうちへおいでなすって、今そこで
掘出し物をしました、といわれたことがある。代官山の駅を下りて此方へ来る途中の古道....
「かたき討雑感」より 著者:岡本綺堂
っても、かたき討は大石内蔵助と荒木又右衛門に株を取られてしまったので、今更どんな
掘出し物をしても彼らを凌ぐことはむずかしい。大石には芸州の浅野が附いている、荒木....
「活人形」より 著者:泉鏡花
の通りになる処、馬鹿力の強い奴だ。と舌を巻きしが、「待て、何ぞ手懸りになる様な、
掘出し物があろうかも知れぬ。とかかる折にも油断無く八蔵の身体を検して腰に附けたる....