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掛小屋
「掛小屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掛小屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
いことじゃ、そなたが十六で、われらが二十の歳の秋じゃったが、祇園祭の折に、河原の
掛小屋で、二人一緒に連舞《つれまい》を舞うたことがあるのを、よもや忘れはしやるま....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
に縄にふれると、向うで鈴が鳴った。 すると、樫の棒を持った番人が銅羅声をあげて、
掛小屋の中から走り出て来る。 が、番人が現場へやって来る頃には、僕等はちゃんと....
「昔の火事」より 著者:宮本百合子
の肥溜めに向って放尿しながら答えた。 敷地のぐるりがトタン塀で囲われた。職人の
掛小屋が出来た。真先に門の横の番人小屋が出来はじまって、建築が着手される一方で竪....
「夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
ーっと腕の力を抜こうとした。途端に、肘の下の羽目板が、鈍い音を立てた。造作の悪い
掛小屋なので、一寸した重みの加減でも、板が軋むのだ。シンとした周囲と、針のように....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
大分二一天作の五が十になる鼠算が流行って来て、折角の青天井になお一つ天井が出来、
掛小屋が常設館という厳めしいものになって、場所以外にはチャリネの競馬もあれば、菊....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
もここへ稼《かせ》ぎに出ているかも知れない、と思って米友は、河岸の柳の蔭、夜鷹の
掛小屋をいちいち覗《のぞ》いて歩きました。 けれども、お蝶らしい女を発見するこ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
確信を求むる一徹な苦しい大望を利用していた。それらのヒポクラテスの連中は各自に、
掛小屋の上から、自分のエリキシルだけがよくきく薬であると喚《わめ》きたて、他のエ....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
明治三十九年の秋だつたと思う。 当時七歳の私は父に連れられて神戸港新開地の
掛小屋で活動写真に見いつていた。 天幕のすきまからはいつてくる風にあおられて波....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
人足だろう。アラ、驚いた、小屋じゃないか!」 正しく火事を出したのは、女軽業の
掛小屋であった。 役人達が遣って来て、立退きを命ずると、急に彼等は周章て出した....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
古いことじゃが、そなたが十六で、われらが二十の秋じゃったが、祇園祭の折に、河原の
掛小屋で二人一緒に、連舞を舞うたことを、よもや忘れはしやるまいなあ。われらが、そ....
「破れわらじ」より 著者:三好十郎
足音が沢に出て行く。 お花 あーい……六平の小父さあん! 六平爺がユックリと
掛小屋から顔をのぞけて、 六平 おーい、お花坊と健二かよう! 健二 お茶をもら....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
「いいえ、田楽」 「酔うにつれて、いつか舞台も面白う見えてきた。先頃、七条河原の
掛小屋で見たのも、この花夜叉の新座であったが、何で人々が、さまで持て囃すのかと、....