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掛時計
「掛時計〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
掛時計の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ているばかりである。この頽れた建物の下には、おじいさんが先祖伝来と誇っていた古い
掛時計も埋められているかも知れない。若い娘の美しい嫁入衣裳も埋められているかも知....
「落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
の画像(4)であって、ただ違うのは大鎌のかわりに、ちょっと見たところでは、古風な
掛時計についているような巨大な振子を描いたのであろうと想像されるものを、持ってい....
「怪塔王」より 著者:海野十三
―― なんという恐しいことでしょう。 二人の軍人をぶらさげた長い綱は、まるで
掛時計のふりこのように、ぶうんと反対の方へふりつけられます。 あっ、あぶない。....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
の唄の塩梅。どことなくドン――と響いて天狗倒の木精と一所に、天幕の中じゃあ、局の
掛時計がコトリコトリと鳴りましたよ。 お地蔵様が一体、もし、この梟ヶ嶽の頭を肩....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
百円一円札○一金側時計一個|但金鎖附此代金二百円○一同一個但銀鎖附此代金百円○一
掛時計二個此代金五十円○一衣類二十七品此代金五百円○一|玉置物一個此代金二百円○....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
どちらにとってもとても出来ないように思われた。台所の炉の中で石炭の落ちる音にも、
掛時計のかっちかっちいう音にさえも、私たちはびくびくした。私たちの耳には、近づい....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
くれる種々な皺《しわ》のある壁紙、彼だけにしか分らない片言《かたこと》をしゃべる
掛時計。なんとたくさんのものが室の中にあることだろう! 彼はそれらのすべてを知り....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
きに合わして、他の会堂で澄んだ響きや錆《さ》びた響きがくり返され、また家の中で、
掛時計の重い音や鳴時計の嗄《しゃが》れた声がくり返された。 二人は夢想から覚《....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
るようなものを、――ひいてあげよう……。」
彼が夢幻的な一曲をひき終わった時、
掛時計の杜鵑《ほととぎす》が鳴きだした。クリストフは飛び上がって怒鳴り声を立てた....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
若干の肖像、それから自分らの生命と同じ鼓動を打ってるように彼らには思われる、古い
掛時計など……。寒い空気は身に沁《し》むほどだった。町にはまだだれも起きていなか....
「変る」より 著者:豊島与志雄
ほう、大きな拳ですな。ムッソリーニの拳に似てますな。」 村井は手を引っこめて、
掛時計を仰ぎ見た。 「もうそろそろ時間ですよ。だいぶ酔いましたね。」 それから....
「ランス紀行」より 著者:岡本綺堂
ているばかりである。この頽れた建物の下には、おじいさんが先祖伝来と誇っていた古い
掛時計も埋められているかも知れない。若い娘の美しい嫁入衣裳も埋められているかも知....
「火に追われて」より 著者:岡本綺堂
ついて、わたしはともかくも内へ引返してみると、家内には何の被害もないらしかった。
掛時計の針も止まらないで、十二時五分を指していた。二度のゆり返しを恐れながら、急....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
られてあります。
入口が二つありましてその二つの入口の間の壁の内部には大いなる
掛時計があって、その両脇には鹿とは思われぬほど猛烈な顔をして居る鹿の面が一個ずつ....
「父の出郷」より 著者:葛西善蔵
…さらに反響がなかった。庫裡に廻って電灯の明るい窓障子の下に立って耳を傾けたが、
掛時計のカッタンカッタンといういい音のほかには、何にも聞えてこない。私はまた玄関....