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「掛花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

掛花の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老ハイデルベルヒ」より 著者:太宰治
は昔から伝統のあるものらしく、水花火というものもあって、それは大社の池の真中で仕掛花火を行い、その花火が池面に映り、花火がもくもく池の底から涌《わ》いて出るよう....
」より 著者:島崎藤村
、そこにも、ここにも起った。知らない男や女は幾群となく皆なの側を通過ぎた。 仕掛花火も終った頃、三吉は正太と連立って、もう一遍橋の畔まで出て見た。提灯や万燈を....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
をなし、昔は玉屋鍵屋が承って五月二十八日より上流下流に大伝馬をもやいて大花火、仕掛花火を打揚げる。江戸ッ児の魂を有頂天にして、足元の小石にも跪かしむるはこの時で....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
入る、この一室|襖、障子にて見物の席より見えず。 七左 (襖の中にて)ここはまた掛花活に山茶花とある……紅いが特に奥方じゃな、はッはッはッ。 撫子、勝手に立つ。....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
少将は、吐きだすようにいって、展望窓のところへ歩いていった。そこからは、まるで仕掛花火がはじまっているような海上の騒が見えた。幾十条の探照灯が、網の目のように入....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
のある宝石商の前へ立ってその飾窓を眺めていた時、火山が爆発をはじめた。ちょうど仕掛花火の如く空へ火焔が吹き上がりシダレ柳が落ちて来た。その花火の中に月が美しく輝....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
なわな震えて、野暮なお酌をすると口惜い。稽古をするわ、私。……ちょっとその小さな掛花活を取って頂戴。」 「何にする。」 「お銚子を持つ稽古するの。」 「狂人染み....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
伝って、床の間の柱に、友染の襷がけで艶雑巾をかけていたお米という小間使が、ふっと掛花活の下で手を留めて、活けてありました秋草をじっと見ながら、顔を紅のようにした....
星女郎」より 著者:泉鏡花
人の段取で。 その内に、床の間へ目が着きますとね、掛地がない。掛地なしで、柱の掛花活に、燈火には黒く見えた、鬼薊が投込んである。怪しからん好みでしょう、……が....
お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
の家へ帰った。 黙ってせっせとそう片付け栄えもしない家の中を掃除して、珍らしく掛花に昼顔の花を插して見たり、あやしげな山水の幅を掛けたりして漸う家らしくなった....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
る。赤いポンポンダリアを三本買って来たのを、お久さんが土産に持って来た白樺細工の掛花瓶にさし、一本だけお久さんにやった。ポンポンダリアはまんまるくて、赤くて、暖....
倫敦の一夜」より 著者:岡本綺堂
下の空地で花火が打揚げられるのであるが、とてもその傍へは寄付けないので、どんな仕掛花火かよくは判らない。ただ時々に高く飛びあがる紅や青や紫の星の光がみだれて流れ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
てみて、更に深い感慨に耽るのである。 さて元へ戻るにしても、母の膝にあがって仕掛花火に火のつく度ごとに手を拍ってよろこんだ元の桟敷へは戻れない。深々と幌をかけ....
小説 円朝」より 著者:正岡容
じょうひ》のような唐紅《からくれない》に彩られそめたとおもったら、向こう河岸で仕掛花火の眉間尺《みけんじゃく》がクルクルクルクル廻りだしていた(下略)。 文意....
円朝花火」より 著者:正岡容
絲も猩々緋《しょうじょうひ》のような唐紅に彩られそめたと思ったら、向こう河岸で仕掛花火の眉間尺《みけんじゃく》が、くるくる廻り出していた。 ……以上を我が断章....