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「掠奪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

掠奪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
、再び薔薇に返って来た真昼の寂寞《せきばく》を切り開いて、この殺戮《さつりく》と掠奪とに勝ち誇っている蜘蛛の姿を照らした。灰色の繻子《しゅす》に酷似《こくじ》し....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
。若《も》し自然の名のもとに如何なる旧習も弁護出来るならば、まず我我は未開人種の掠奪《りゃくだつ》結婚を弁護しなければならぬ。 又 子供に対する母親....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
」 吐き出すように良人がこういった時勝負はきまっていた。妻は争い負けて大部分を掠奪《りゃくだつ》されてしまった。二人はまた押黙って闇の中で足《た》しない食物を....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
矜恃《ほこり》が凋《しぼ》んでゆくのを、眺めるよりほかになかった。あの動物的な、掠奪《ひった》くるような要求には――それに慣れるまで、彼女は幾度か死を決したこと....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
田園を踏み出して、その荒原に足を入れた。そこには彼の踏み進むべき道路はない。又|掠奪すべき作物はない。誰がその時彼の踏み出した脚の一歩について尤めだてをする事が....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
はこれに武器を貸し与えぬ。 そは血潮に染みし手に打ち振られて鳴りひびきぬ。 世は掠奪に生き奪えるものを貪り食らいぬ。 かくて客人の命を奪う宿の主も 舅姑の生命に....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
も、犯罪精神病理学者のクラフトエーヴィングは、ニイチェの言葉を引いて、天才の悖徳掠奪性を強調しております。中世紀全体を通じて最も高い人間性の特徴とみなされていた....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
蜂 宋の元嘉元年に、建安郡の山賊百余人が郡内へ襲って来て、民家の財産や女たちを掠奪した。 その挙げ句に、かれらは或る寺へも乱入して財宝を掠め取ろうとした。こ....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
人を見ると小Dであった。 「何だ」阿Qは不平を起した。 「趙……趙家がやられた。掠奪……」小Dは息をはずませていた。 阿Qも胸がドキドキした。小Dはそう言って....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
ていた。それが上杉謙信の小荷駄方に紛れ入って、信州甲州或は関東地方にまで出掛け、掠奪に掛けては人後に落ちなかったが、余りに露骨に遣り過ぎたので、鬼小島弥太郎に見....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
出し、傍若無人にお先きへ失敬しようとする時は、いくら放任教育でも有繋にお客の肴を掠奪するを打棄って置けないから、そういう時は自分の膝元へ引寄せてお椀の蓋なり小皿....
判決」より 著者:カフカフランツ
ど彼の心を打った。彼はその友人が広いロシアで痛手を受けている様子を思い浮かべた。掠奪された空っぽの店の戸口に立っているのを見た。商品棚の残骸のあいだ、めちゃめち....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
沖合に出して、西インドから帰ってくる商船隊を待ち伏せ、彼らが母国へ持ち帰る財宝を掠奪しようではないかと力説した。もう一度、彼の意見は誰の支持するところともならな....
革命の研究」より 著者:大杉栄
ぎなかったのだ――検事であった。そしてその間に、ブルジョワの泥棒どもはフランスを掠奪し、労働者を飢餓に陥らしめて、その莫大な財産を造ったのである。 そして今日....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
。 しかるにデゴ戦闘後に狂喜した仏兵は、数日の間甚だ不充分なる給養であったため掠奪を始め、全く警戒を怠っていた所を、十五日ボルトリ方面より転進して来た墺軍の急....