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採る
「採る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
採るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
て、文芸的作品に臨み、労働文芸としからざるものとを選り分ける。私はそうした態度を
採ることは断じてできない。
もし階級争闘というものが現代生活の核心をなすもので....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
す》りをしながら、それじゃアとて立ちあがる。水を持ち、線香を持ち、庭の花を沢山に
採る。小田巻草千日草|天竺牡丹《てんじくぼたん》と各々《めいめい》手にとり別けて....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
そのこと自身は何物かであらねばならぬ。縦しそれが何物でもないにしろ、その外に私の
採るべき態度はないではないか。一個の金剛石を持つものは、その宝玉の正しい価値に於....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
云い続けていた。そして彼が衷心の感想を話す時のてれ隠しに、わざと昂然とした態度を
採る。その癖で今日も彼独得の陰性を帯びた背の反らし方をして、右手を絶えずやけに振....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
が、今晩のお催しの御趣意から観ますると、戯曲は勿論例外であり、小説の方面にも多く
採るべきものを見いだし得ないのは残念でございます。就いてはまず『続夷堅志』を主と....
「断層顔」より 著者:海野十三
とは何一つとして得られないのです。ごめんですわ。あたくしは直線的に効果ある方法を
採るのです。それが賢明ですから。あなたさまは、事件の秘密性をよく護って下さる方で....
「地球要塞」より 著者:海野十三
っそ》の固定《こてい》のように、空中から資源をとるのもいい。海水から金《きん》を
採るのもいいだろう。海底を掘って鉱脈を探すのもいい。しかしやっぱり足りなくなる日....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
遊ばすのでございましょうと存じます。」 譬えば仙境に異霊あって、恣に人の薬草を
採る事を許さずというが如く聞えたので、これが少からず心に懸った。 「それでは何か....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
であろうか。それはムーア彗星にある超放射元素で、ムビウムという非常に貴重な物質を
採ることであった。 ムビウム超放射元素! この貴重な元素のことを知っている者....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
、何れの教義にも誤謬の夾雑物がある。人間がいかなる状況の下に、いかなる信仰形式を
採ることになったか、その真相が、われ等にはよく判って居る。故にわれ等は之を軽視は....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
そうもなかったが、水の上は磯ばたの砂の色とおなじように薄暗くにごって来た。沃度を
採るために海草を焚く白い煙りが海の方へ低くなびいていた。 僕はだんだんに暗くな....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
那料理は最も進歩したものである。最も美味で、かつ衛生的であると。彼等が支那料理を
採るのはそのためだ。さて、一番初めに運んで来たのは何だろうか?……」 「薪ですよ....
「瘠我慢の説」より 著者:榎本武揚
容可被下候也。 二月六日安芳 福沢先生 拙、此程より所労平臥中、筆を
採るに懶く、乱筆|蒙御海容度候。 榎本武揚氏の答書 拝復。過日|御示....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
るのであるが、わが日本においては、明治以来西洋哲学が輸入されて、どういう研究法を
採るようになったかといえば、とかく西洋風に考察する。哲学といえば、ギリシヤから中....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
いちいち、仏さまを念ずる癖を付けました。 その年の九月、第二学期はじめに補欠を
採る中学校のあるのを聞いて、その少年は編入試験を受けたのでしたが、今度は立派に合....