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探り
「探り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
探りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
として鉛筆を動かしている。
「その指環がなくなったら。」
陳は小銭《こぜに》を
探りながら、女の指へ顋《あご》を向けた。そこにはすでに二年前から、延べの金《きん....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
わ》さなかった。一度左近が兵衛らしい梵論子《ぼろんじ》の姿に目をつけて、いろいろ
探りを入れて見たが、結局何の由縁《ゆかり》もない他人だと云う事が明かになった。そ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
振り返って、
「君は気がつかなかったか、昨夜《ゆうべ》東京駅で遇ったのを。」と、
探りの一句を投げこんで見た。
二十二
「へええ、東京駅で?」....
「或る女」より 著者:有島武郎
ほどの生活をあえてしていたのだった。しかし母は目ざとくもその赤ん坊に木部の面影を
探り出して、キリスト信徒にあるまじき悪意をこのあわれな赤ん坊に加えようとした。赤....
「或る女」より 著者:有島武郎
にまで気を配って、采配を振っているのはわかっていた。新聞記者などがどこをどうして
探り出したか、始めのうちは押し強く葉子に面会を求めて来たのを、女将《おかみ》が手....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
判を押さなければならないという事は心得ていた。彼れは腹がけの丼《どんぶり》の中を
探り廻わしてぼろぼろの紙の塊《かたまり》をつかみ出した。そして筍《たけのこ》の皮....
「星座」より 著者:有島武郎
けえ」と尋ねた。
「なに」
といったぎりでまた顔を撫でた。と、思いだしたように
探りを入れるような大きな眼を母の方にやりながら、
「時雨《しぐ》れた時分にはちょ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
た最初のものは欲求であった、 それが生命の霊の最初の象徴であった、 霊魂の奥底を
探り求めた賢人等、 彼らは「非有」と「有」との相関していることを知った。 とは言....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、按摩の手が、肩を辷って、ぬいと越す。……その袖の陰で、取るともなく、落した杯を
探りながら、 「もしか、按摩が尋ねて来たら、堅く居らん、と言え、と宿のものへ吩附....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
きました。とにかく、そこいらまで歩いてみましょう。」 と小村さんが暗がりの中を
探りながら先へ立って、 「いきなり、風呂を沸かす宿屋が半道と来たんでは、一口飲ま....
「橋」より 著者:池谷信三郎
ょにポオカアをやった晩の事を考えていた。自分の手札をかくし、お互いに他人の手札に
探りを入れるようなこの骨牌のゲームには、絶対に無表情な、仮面のような、平気で嘘を....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
たれば、今宵こそ大事なれとその胴巻を締めたまま臥しながらもなお幾度か目さむる度に
探りたり。 翌朝騒がしくまた慌ただしく催されて馬車に乗る。乗ればなかなか馬車は....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
えたまえ。ガランスを与えたまえ。我らに日用の糧を与えたまえ。(銀紙に包んだものを
探り出す)我らに(銀紙を開きながら喜色を帯ぶ)日用……糧を……我らに日用の糧を…....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
怯けるまで、郷里にうらぶれた渠が身に、――誰も知るまい、――ただ一人、秘密の境を
探り得たのは、潜に大なる誇りであった。 が、ものの本の中に、同じような場面を読....
「活人形」より 著者:泉鏡花
る探偵はこの泰助なり。 泰助はまず卒倒者の身体を検して、袂の中より一葉の写真を
探り出だしぬ。手に取り見れば、年の頃|二十歳ばかりなる美麗き婦人の半身像にて、そ....